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上田桃子、吉田優利…「チーム辻村」の宮崎合宿に潜入! いったいどんな練習しているの?

ツアー通算16勝の上田桃子を筆頭とした「チーム辻村」の面々が宮崎合宿を敢行。いったいどんな練習をしているのか。オフトレに密着した。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/光成ゴルフアリーナ

辻村明志
プロ転向後アジアンツアーを転戦し、その後コーチングの世界へ。王貞治を育てた荒川博氏から指導法を学ぶ。上田桃子をはじめ、吉田優利、松森彩夏など、多くのプロを指導

上田桃子のテーマ
「体を全部使い切る」

「これは永遠のテーマですが、とにかく“体を全部使い切る”こと。それが毎年のオフ合宿でのテーマだと思っています」と語る上田桃子。

「というのも調子が悪くなったり、試合が続いて疲れが出てくると、アッパー軌道になったり、手首を返すローテーションでボールをさばくクセが出るからです。もちろん、それはそれでひとつの技術ですが、見方を変えれば、よりラクな打ち方になっているわけです。お兄(辻村コーチ)の教えるスウィングのキーワードは“インサイドイン軌道”と“レベルスウィング”。これは体を100%使いこなさなければできません」


「体を使い切る」ために、どんな練習をしているのか。

「宮崎合宿では、左足の前に太い竹筒を立て、絶対に軸をブラさないこと、そしてインパクトを低く長く、6個のボールを打ち抜くイメージ、さらに(フィニッシュで)背中を大きく見せることを心がけています。ショットメーカーは総じてこの3つが共通しています。これが、体を100%使い切るということ。その結果、飛んで曲がらないボールが打てるのではないでしょうか。体を使っていかに長くボールを押せるか、が大事です」

インパクトでいかに長く体の正面でボールを見続けられるか。そのために6個のボールを打ち抜くイメージで振る。インパクトで右肩が下がるアッパー軌道はこうして修正する

Drill
左足の前に“竹筒”をセット

「絶対にブレず、傾かない軸を作るため、左足の前に竹筒を立てて打つ。スウィング中、体と軸は常に垂直、そしてインパクトからフィニッシュは、この軸から外れないことを意識します」(辻村・以下同)

Point 1
フォローからは左足1本で立つ

「インパクト後の左足は(左足前に立てた)竹筒と同じ垂直をキープ。フォローからフィニッシュでは左足1本で立つことを意識します。調子がいいと打った直後から歩き出せます」

Point 2
フィニッシュで右肩がターゲットへ

「フィニッシュで体をターゲットに向けますが、意識するのは右肩。右肩がターゲットに向くまで体を回すと背中が大きく見えるフィニッシュになり、ボールを強く押せます」

吉田優利のテーマ
「インパクトの入り口と出口を揃える」

昨シーズン2勝を挙げた吉田優利の課題は「パーオン率の向上」だという。

「昨季は66.02%で57位。つまり3回に1回はグリーンを外している計算になります」

そこで今回の合宿のテーマは「打点の安定」。「とくに地面のボールにおいて、体幹を使ってインパクトゾーンを安定させるよう意識しています。そのためにやっているドリルがアライメントスティックを置き、インパクトの入り口と出口を揃えることです。辻村コーチに後ろからも見てもらい、真っすぐになるようチェックしてもらっています」

Drill
ガイドに沿ってヘッドを動かす

「体幹を使い、インパクトゾーンの入り口と出口が整うと、インパクトでヘッドが低く、長く、ガイドに沿って真っすぐになります。パーオン率向上のための特訓メニューです」(辻村)

松森彩夏のテーマ
「アッパー軌道を修正」

シード復帰を目指す松森彩夏のテーマは、アッパー軌道の修正。

「インパクトで右肩が下がり、ヘッドが下から入ってアッパーになるクセがあります。それを修正し、ぶ厚いインパクト(=強いボール)と飛距離アップが大きなテーマです。ショット練習では、左足下がりの状況を作ってボールを打ちます。右足の下にマットを重ねたり、コースで左足下がりのライを見つけてボールを打ったり……。スウィング軸を傾けず、強いボールを打つためです。また3Wでレベルに体を回し、低いライナーを打つ練習もしています」

Drill 1
3Wで超ローボールを打つ

「コースでは左足下がりのライで、素振りを3回してから打つ。するとレベルスウィングになり、強いボールが打てます。3Wで超ローボールを打つ意識でトレーニングしています」

Drill 2
左足下がりの状態を作る

「ドライビングレンジでは、右足の下にマットを入れて練習しています。アッパー軌道になりにくく、上から打ち込むイメージが持てます。こうするとレベルに回転できます」

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月1日号より

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