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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.67 飛距離を伸ばすより大事なのは“飛距離を知る”

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ボクが住んでいる愛媛県今治市は松山空港から車で約60分。市内までは山側と海側のルートがあり、どちらも途中片側一車線の道が続く。そこでたまにすごい勢いで追い越されることがあり、みんな忙しいんだなと感じる。でも、片側一車線だから一度に追い越せる台数はせいぜい1~2台だ。途中、信号につかまることもあるし、おそらく到着時刻って大差ないよね。そもそも交通違反だし、そんなことしちゃいけないよね。

アマチュアゴルファーでも、他人より1Yでも飛ばしたいと思ってマン振りする人をよく見かけるけど、おそらく飛距離は5Yぐらいしか変わらないだろう。

もちろん、飛距離を伸ばしたいという気持ちは否定しない。飛距離がアドバンテージになるのも確かだ。だけど、必死にマン振りして同伴者より少しだけ前に出ても、そんなにスコアは変わらない。それよりも、リスクのほうがずっと大きいのではないだろうか。アマチュアはマン振りすると、手やクラブヘッドがスウィング中にどこにあるのか、どこを通っているかわからなくなる。背骨がどんな形になっているかもわからない。わからなければ当然、コントロールできない。つまり、ボールがどこへ飛んでいくかもわからないのだ。クラブは振るほどリスクが増えるものだと思う。その証拠に、トップアマでマン振りする人は皆無に近い。うちの母親も然りだ。

彼女は若いときドローヒッターだったので飛距離が出るほうだったらしい。でも、あるときシャンクに悩み球筋をフェードに変えたところ、飛距離はぐっとおちた。それでも躍起になってマン振りすることはない。一緒にラウンドしたときにボクが「そんなところからユーティリティを使うの? 飛ばんなったなぁ」とからかっても「アンタの8Iよりまっすぐ飛ぶわ」と一蹴。そして、かる~くUTを振りベタピンにつけてくる。

もちろん、ゴルフの面白さをどこに求めるかによると思うけど、もしいいスコアを目指すならマン振りして多少飛距離を伸ばすよりも、正確に振って芯に当てるほうがアマチュアの場合は断然得策なのだ。

そもそも、マン振りするのは自分の距離を正確に知らないからかもしれない。キャディのバイトをしていたときも「寒くて体が回らないから、200Yがやっとだよ」と言う人がたくさんいた。残念ながら、そう言う大半は暖かくても200Yは飛ばないのだ。別に盛ったわけではなく、本当に普段200Y飛ぶと思っている。もし、彼らがスコアアップできず悩んでいるとすれば飛距離不足が原因ではない。自分の飛距離を理解せず、200Y飛ばそうとマン振りしてしまうことだ。

ということで、思い切って一度「マン振り封印」でラウンドしてみてほしい。きっと飛距離もスコアも変わらないはず。いや、逆にいい結果になる可能性は大である! かる~く振ってしっかり芯に当てることを心がけて。

マン振りしてもしなくても飛距離はあまり変わらない。それよりも、自分の飛距離を知ることが大事。マネジメントも楽になる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年4月10日号より