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【キミこそ王子だ】Vol.287 伝統の「7km走」で培った強靭な下半身で四国チャンプに!

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は、前回に続き香川県、四国学院大学香川西高校ゴルフ部から、広島県出身の松浦葵さんだ。「四国ジュニアゴルフ選手権」を制した彼女のスウィングを武市が解説。

今回の王女候補

松浦葵さん

まつうら・あおい ●主な戦歴/2020四国ジュニアゴルフ選手権 優勝 ●ベストスコア/68(北条CC) ●練習/毎日200~300球 ●トレーニング/7キロのランニング、筋トレ、体幹、トレーニングetc.


7月に行われた「四国ジュニア選手権」で優勝した松浦葵さん。父親に「やってみる?」と言われたのがきっかけで、10歳でゴルフと出合った。出身は広島県だが高校はゴルフ強豪校である四国学院大学香川西高校へ進学。現在は、寮生活をしている。親元を離れるのは寂しかったそうだが、「きっと自分のためになるはず」と決心したそうだ。

そんな香川西高校には、ゴルフ部創立以来続くトレーニングがある。それは、学校から練習場までの7キロ走(ほぼ上り)。男子部員も女子部員もマストで、葵さんも入部してから2年間走り続けた。

「ランニング辛くない?」

走るのがあまり好きではない武市が尋ねる。

「辛いですけど、入学したときよりも脚力がつき、飛距離も伸びました」

「素晴らしい。確かに、香川西高校のゴルフ部員は、みんなすごく下半身がガッシリしていて、スウィングに安定感があるよね。」と武市。

葵さんもしかり。脚力を武器にした、安定感抜群のスウィングだ。


「彼女はドローヒッター。小柄だけど、体の回転速度が速くて飛ぶ。それは、ボールに効率よく力を伝えている証拠。ポイントは下半身、とくにひざの使い方にある。よく飛距離アップを狙い、体の回転を速くしようとすると、ひざが伸びて体が伸び上がってしまうことがある。そうすると、クラブが寝たり、フェースが開くといったミスになるんだけど、葵ちゃんは、ダウンスウィングで左ひざのポジションを変えず、かつ右ひざをボールに向かって押し込むようにして、上体が伸び上がるのを上手に抑えているよね。ほら、力強い球を打つには、『体重をボールに乗せろ』なんて言うけど、アマチュアゴルファーにとっては、これが難しい。単に体重移動をしただけでは、ボールに力は伝わらないからね。やっぱり、女のように脚力を使い、沈み込むように打ってこそ、ボールにパワーが伝わり、大きな力でインパクトできる。さすが、毎日、走り込んできただけあるわー」と感心する武市。

葵さん自身も、スウィングにおける下半身の重要性は理解していて「疲れてくると右ひざが踏ん張れないので、気をつけています」と言う。

「やっぱり、走るっていうのは、すべてのスポーツの基本だよね。ボクも明日から走ろうかな(笑)」

「がんばってください!」

そんな葵さんに今後の目標を尋ねてみると「プロになって親に恩返ししたいです!」と答えてくれた。

「子どもにそんなこと言われたらうれしくて泣いちゃうよ」

「そう思うのには訳があって、ちょっと暗い話してもいいですか」

「どうしたの?」

「実は8月に父が亡くなったんです。くも膜下出血で急死でした。いまでも寂しいですが、プロになって活躍するのを天国で応援してくれると思うのでがんばります」

「お父さんはいつも娘の味方だ」

取材中、終始笑顔で対応してくれた葵さん。武市も笑顔で返した。

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月6日号より