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かつて日大が25連覇。大学ゴルフを発展させた歴史ある大会が今年限りで幕

大学生の競技では「日本学生ゴルフ選手権」に続き歴史のあった「朝日杯」「信夫杯」が来年から姿を消すことになった。

まずは両大会の歴史を振り返ってみよう。それぞれの正式名、「朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権」は今年で68回目(女子は24回目)で2日間36ホールの個人戦。もう1つの「信夫杯争奪日本大学ゴルフ対抗戦」は65回目(女子は22回目)で、これも2日間36ホールの団体戦。5人が出場し、上位4人のスコア合算で順位を決める。

どちらも朝日新聞社主催で、朝日杯は終戦から8年後の1953年に学生ゴルフの復興を目指してスタート。信夫杯も55年、当時朝日新聞社の専務だった信夫(しのぶ)韓一郎氏が、米国学生ゴルフの団体戦を見て新設したという。

個人戦である朝日杯のほうは、日本学生があるためか、あまり派手なエピソードはなく、08年藤本佳則、09年小平智、13年木下稜介、女子では06年佐伯三貴の名前が目立つくらい。松山英樹の名はない。

一方、団体戦の信夫杯は、熱い闘いのドラマを数多く残す。第1回~第10回大会までは甲南大学の時代。日本アマを6度制した中部銀次郎を擁し、10大会中7大会を制覇。黄金期を築いた。

第11回大会からは常勝軍団、竹田昭夫監督率いる日本大学の登場だ。第19回から25連覇した最強時代、倉本昌弘、湯原信光、川岸良兼、丸山茂樹らが育ち、その後プロツアー界を席巻した。

その日大に待ったをかけたのが東北福祉大だ。星野英正を嚆矢(こうし)に、池田勇太、谷原秀人、松山英樹、金谷拓実らを輩出してきたのはご存じのとおり。

学生ゴルフのシンボルともいえる2大会が消滅することになったのは、主催する朝日新聞から共催の日本学生ゴルフ連盟に「来年からは大会名称を使用しないこと」の通達が届いたためだ。

主催返上の理由としては「学生ゴルフの発展に寄与できたこと。日本学生ゴルフ連盟のみで大会運営できることなど、弊社の一定の役割は終えたと判断した」(朝日新聞社広報部)とのこと。

「残念の一言です。こちらは継続してほしいですが……。今、言えることはこれまでやっていただいたことへの感謝ですね」と学連会長の黒須一雄氏。

特に団体戦に関しては、これに代わる新しい大会を検討しているそう。

今月末、最後の朝日杯と信夫杯が千葉CC梅郷Cで行われる。例年なら一般ギャラリーも入場可能なのだが、今年はコロナ禍のため、それはできない。惜別の念で送りたい。

2010年、松山英樹擁する東北福祉大は、2位の駒澤大学に23打差をつけ圧勝

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より