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【キミこそ王子だ】Vol.254 中学3年間はバレー部。中国女子アマチャンプが再びゴルフに打ち込むようになった理由とは?

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、京都府出身、岡山県作陽高校3年の佐々木史奈さんだ。「中国女子アマチュア」を制した注目選手だが、武市に会うのは初めてではないという。いったいどんなつながりが?

今回の王女候補
佐々木 史奈さん

●主な戦歴/2021 中国女子アマ選手権 優勝 ●ベストスコア/66(ダンロップGC) ●練習/毎日5時間30分、500球くらい ●トレーニング/自転車1時間


5月に行われた「中国女子アマチュア選手権」の優勝者、佐々木史奈さんは、渋野日向子の母校、岡山県作陽高校3年生。ゴルフを始めたのは小学4年で当時から上手く、アンダーパーで回ったこともあったという。当然、両親も周囲も将来を期待していた。

しかし、中学ではバレーボール部に所属。ゴルフとは距離を置いた。再びゴルフを真剣にやり出したのは、高校に入ってからだ。

「どうして、いったんゴルフから離れたの?」

「バレーも小学校からやっていて好きだったんです。やるなら、真剣にやりたいので、ゴルフとの両立は厳しいかなと思って」

「でも、またゴルフをやろうと思ったのはなんで?」

「中3の夏にバレー部を引退した後、ゴルフの試合に出たんです。そしたら、やっぱり楽しいなと思って(笑)」

「え! 3年間のブランクがあって、よく試合に出られたね。変な意味じゃなくて」

「実は、全くクラブを握らなかったわけではないんです。小学校からのゴルフ友達が、『史奈がやめちゃうのはもったいない』って言ってくれてて。中学のとき、たまに練習やラウンドに誘ってもらっていたんです」

「あ~、なるほどね。ってその話、どっかで聞いたことあるなぁ。もしかして……」

「その友達は、川崎春花ちゃんといって、3年前(当時・中3)に、武市プロに取材を受けています。で、そのとき近くにいた私のことを、春花ちゃんが『いまは競技から遠ざかっているけど、一緒に練習する友達です』って紹介してくれました。だから、今日、武市プロにお会いするのは実は2度目なんです(笑)」

「あのときの!」

二人は、現在、京都と岡山で離れて暮らしているが、交友は続いていて、家族ぐるみでとても仲がいいそう。

少々、前置きが長くなったが、肝心な史奈ちゃんのスウィングはというと、「ポテンシャルがハンパない!」と武市。

「まず、史奈ちゃんは身体能力が高い! それを味方につけ、背筋の力を上手く使って飛ばしていくタイプ。背筋って間違った使い方をすると、前傾角度が崩れてしまうんだけど、彼女は体幹が強いから、前傾角度が微動だにしない。そして、スウィング中、終始、パワーが内側に向かっていて、体が全く開かない。この力を逃がさない能力が優れていると思う。飛距離は十分に出るので、あとは細かい技術を身につけたら、もっともっと強くなると思うよ。高校卒業後はどんな予定?」

「まだまだ実力不足なので、大学で経験を積みたいと思います」

「それもいいよね。ボク的には中学でバレーをやったのは、決して回り道ではないと思う。体力も筋力もつけられたし、きっと息の長い選手になるんじゃないかな」

「ありがとうございます」

「春花ちゃんとの二人の思い出に加われたのがうれしいよ」

よきライバルとして、ともに活躍するのを楽しみにしたい。

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月3日号より

3年前に武市が取材した記事がこちら!