Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【キミこそ王子だ】Vol.344 情報を取捨選択する“ゴルフ脳”に長けた期待の九州男児

【キミこそ王子だ】Vol.344 情報を取捨選択する“ゴルフ脳”に長けた期待の九州男児

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は福岡県出身、沖学園中学校3年、三明優太くんだ。父親、姉、兄とゴルフをやるゴルフファミリー。彼らの背中を見て育った末っ子・優太くんのゴルフ脳を武市は絶賛!

今回の王子候補

三明 優太さん

みあけ・ゆうた ●主な戦歴/2024 九州沖縄中学ゴルフ選手権春季大会 優勝 ●ベストスコア/66(あつまる阿蘇赤水GC) ●練習/毎日2時間30分360球くらい ●トレーニング/なし


多くのプロゴルファーを輩出する名門・沖学園に通う三明優太くんがゴルフを始めたのは小1のとき。姉と兄もやっていたことと、ゴルフ好きな父親にも勧められたのがキッカケ。ちなみに、姉も沖学園出身、兄は高2で在学する九州で有名な3きょうだいだ。

父親にゴルフを勧められて始めるパターンは非常に多いが、その後父親自身はゴルフをやめてしまうのがジュニア界の“あるある”の中で、三明家は例外。父親は今もゴルフをやっており、優太くんは「父には刺激をもらってます」と言う。

「小2のとき、飛距離で同学年の女の子に負けたことがありました。それがめちゃくちゃ悔しくて『よし、練習して飛ばし屋になるぞ』と誓い、ゴルフが楽しくなりました。なんかそういうところが、父親のDNAを引き継いだ感じがします。父親も負けず嫌いで、飛ばしに熱心なので」と優太くん。

「お父さんも姉も兄もゴルフが好きなんていい環境だね」

「スウィングもゴルフに対する考え方も、それぞれ似ているところもあれば、全く違うところもあって、面白いです」


優太くんのスウィングは「スバらしい個性がある」と武市。

「優太くんのスウィング軌道はフラット気味で、クラブのライ角通りに構え、体の軸をブラさずにライ角通りに上げ、ライ角通りに下ろし、ライ角通りにインパクトしている。そうすると、おのずとトップの位置が低くなり、クラブはインサイドから入るのでしっかり球をつかまえられる。あとは、どうやって飛ばすかなんだけど、優太くんは足を使って体を高速回転させ、遠心力を上手に生かしているね。

こういったスウィングのメリットは、動きがシンプルなので再現性が高い。体重移動で飛ばすスウィングと違って、クラブが上がって戻ってくる軌道が同じになりやすいので、大きく球が曲がることがない。普段はドローなのに、急にスライスというミスはまずない。あるとすれば、途中で手が止まってドローがきつくなりすぎることかな。でも、それさえ気を付ければ、安定した飛距離が稼げるし、大きく崩れることがないよね」と武市は称賛した。

それを受け優太くんも「スウィング中は、とにかく体の回転を意識しています。だから練習も、広い練習場よりインドアのほうが好きなんです。そのほうがスウィングだけに集中できるので」

一通り取材が終わり、「最後に何か聞きたいことある?」と投げかけると、いろいろ質問してくれた優太くん。

「彼はゴルフが大好きで、たぶん、いろんなことを分かっている。そのうえで、大切なことを取捨選択し、スウィング中、集中しようとしている。その辺も、中3ながら感心しまくっちゃったよ」

彼のゴルフ脳に感動した武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2025年3月11日号より