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【企業ゴルフ選士】オイレス工業・尾西博樹さん「18ホールの6〜7時間にはいろんなことが詰まっています」

KEYWORD 競技ゴルフ

戦うだけのゴルファーではなく、会社に認められ、選ばれたゴルファーである“企業ゴルフ選士”をクローズアップ。今回は、オイレス工業・尾西博樹さん。

ORGANIZER/Hironori Kogure PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/藤沢ジャンボゴルフ


今週の選士

オイレス工業
生産事業部
藤沢工場
工場長付
尾西博樹さん


32歳でゴルフを始め、45歳で競技ゴルフデビュー。神奈川県アマで2回の決勝進出を果たし、23年には藤沢市アマ優勝など、着実に階段を上る遅咲きの競技ゴルファー。第22回で登場した中村正美さんとはゴルフ仲間

オイレス工業

無給油あるいは給油量、給油回数を少なくすることができるすべり軸受『オイレスベアリング』を開発・製造・販売し、省エネや環境負荷低減に貢献。また、本技術を構造機器・建築機器に応用し、免震・制震装置および排煙・換気装置にて安心安全・快適さを提供する

競技デビューは45歳
遅咲きのゴルフ選士

ベアリングや免震・制振装置の製造をしている同社へ勤務する尾西博樹さんは、45歳で競技ゴルフの門を叩いた遅咲きの競技派で、ゴルフデビューも32歳と遅め。2年後にシニア入りを控え、全日本クラスの大会出場を目標に据えている。

「入社後しばらくソフトボールをやっていて、市のリーグ戦などに出ていました。ゴルフを始めたきっかけは会社の先輩の勧めで、よくある“社会人の嗜み”というやつです」

当時はソフトボールの投手としてチームを引っ張っていたこともあり、ゴルフは誘われて行く程度。そこから時間がたち、月1ゴルファーになったのは40歳を過ぎた頃だった。

「当時からよく参加してきたゴルフコンペがあるんです。いろんな企業の方が100名くらい出ていて、何となく『勝ちたいな』と思った頃から上達志向が芽生え、そのあたりから月1ゴルファーになりました」

小中は剣道、高校は軟式テニスの競技で実績を残してきた尾西さん。入社後もソフトボールの大会に出ていたことから、社会人の手習いとして覚えたゴルフでも競技志向が芽生えたのは当然かもしれない。とはいえあくまでも仲間内のコンペ。有休を取ってまで出場するほどハマったきっかけは何だったのだろう。

社会人ナンバー1との
飛距離の差に愕然

競技ゴルフを始めたのは8年前。ゴルフ仲間から地元の藤沢ジャンボゴルフに全日本社会人ゴルフ選手権(14年)で優勝した中村正美さんが練習に来ていると聞き、紹介を受けたことがきっかけだ。一緒にラウンドすることになり、競技に誘われたという。

「レベルが全然違っていたのは当たり前ですが、それより衝撃を受けたのが飛距離。当時はだいたい70台で回っていましたが、それはレギュラーティーでのことでした。公式競技で使われるティーはもちろん後ろで、飛距離が全く足りていないことに気付きました」

自己流で振らずに曲げないゴルフを構築してきた尾西さんの飛距離は、せいぜい220〜230ヤードといったところ。すぐに飛距離アップに取り組み始めた。

「しっかり振れるだけの可動域とパワーを同時に強化するため、ストレッチとトレーニングを始め、飛距離自体は伸びました。ただ当初は球も曲がりましたし、何よりドライバーとアイアンのバランスが壊れてしまった。でもやめずに競技を続けられたのは、少しずつ結果が出始めたからだと思います」

根っからのアスリート気質とも言うべきか。ただ、尾西さんが諦めなかった理由は“結果”という見返りだけではなかった。

競技はもちろん
ゴルフ自体が楽しい

「思った結果が出ない時期は『応援してくれる家族や同僚のために』と頑張ってきました。気持ちが負けそうなときは『この年でもやれるんだ』と自分に言い聞かせていますね」

そんな尾西さんに競技ゴルフの魅力を聞くと、意外な答えが返ってきた。

「競技はともかく、ゴルフ自体ですよね。コースには自分の知らない世界を持つ人がたくさんいて、そんな人たちと会話しながら回るのが楽しい。18ホール6〜7時間には、いろんなことが詰まっているんです」

普段のラウンドでも競技でも同伴者との会話を欠かさない。どんな状況も楽しめるのは、人柄あってのことなのだろう。最後に尾西さんの人となりを表すエピソードを。8年前に出会って以降、中村さんとのラウンドは毎月の恒例となっているが、数年前のラウンドでの話。ど派手な花柄のパンツで登場した尾西さんに「百貨店の包装紙みてぇだ!」と中村さん。今日はずいぶんおとなしい?

「相手の気を散らさないための……競技仕様です(笑)」

尾西博樹さんの14本セッティング

クラブを決める際は試打したときのフィーリングを大切にするという尾西さん。「新しいものが出るたびに気にはなりますが……」としつつ、マークダウン品を吟味して買うという工夫もしている

週刊ゴルフダイジェスト2025年2月18日号より