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【キミこそ王子だ】Vol.302 中部地方注目の新星は柔軟な思考と再現性の高いスウィングの持ち主!

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は愛知県出身、一宮市立南部中学校3年、清本貴秀くんだ。細マッチョの体格から繰り出すアイアンのキレ味はピカイチ。再現性の高さやインパクト音の良さに武市は惚れ惚れ!

清本貴秀

今回の王子候補

清本 貴秀さん

きよもと・たかひで ●主な戦歴/2022 全国中学校ゴルフ選手権 3位タイ ●ベストスコア 65(いわむらCC) ●トレーニング/筋トレを週3~4回1時間 ●練習/毎日2時間200球


流行りのマンバン(別名・サムライヘア)がお似合いの清本貴秀くん。先にゴルフを始めていた姉に影響され3歳でクラブを握る。ちなみに、姉の美波さんも、優秀なジュニアゴルファーで4年前に当コーナーに登場してもらっている。コーチは父親。元サーファーなので指導は技術よりも、体の使い方やコースマネジメントが中心とのこと。そんな父親の勧めで貴秀くんは、トレーニングにスケートボードを取り入れている。

「実はボクもサーフィンやスノーボードやったことあるんだ~」

意外とヨコ乗り系が好きな武市。

「すごい体幹使うしゴルフに役立つよね」

「ジャンプするとき、地面を踏み込むのでその力の出し方やタイミングなどが、ゴルフに通じる気がします」

「わかるわ~」

意気投合したところで、スウィングを見せてもらうと、そのキレの良さに武市は仰天した。球筋はドローで、飛距離も申し分ない。


「いつも球が同じ高さで同じ曲線を描いて飛んでいく。それは、要するにいつも同じスウィングってこと。でも、ガチガチに型にはめたスウィングじゃない。きっと、彼は寝起きだろうが、足元がビーチサンダルだろうが、ウェアが制服だろうが、同じように動けて同じ球を打てる。ものすごくセンスを感じる」

「ありがとうございます」

  • 清本貴秀 正面スイング1
  • 清本貴秀 正面スイング2
  • 清本貴秀 正面スイング3
  • 清本貴秀 正面スイング4
  • 清本貴秀 正面スイング5
  • 清本貴秀 正面スイング6
  • 清本貴秀 正面スイング7

耳心地の良いインパクト音に、しばし酔いしれる武市。そして、貴秀くんのスウィングを次のように説明した。

「貴秀くんのドローのメカニズムは実にシンプル。まず、グリップをしっかり握り、ハンドダウンに構える。そうすると、自然とクラブのトウが少し浮くよね。で、その形をキープしながら、トップでレイドオフのカタチを作り、ややフラット気味なスウィングプレーンで打つ。この2点でドローは確定。さらに、特徴的なのがスタンス幅の狭さ。スタンス幅を広くとり、体を左右に揺さぶって体重移動をすると当たったときは飛ぶ。でも、ミート率が下がるリスクもある。その点、貴秀くんは、狭いスタンス幅の筒があり、その中から出ないようにスウィングしているから、ブレが少なく、ミート率がとてもいい。さらにスケボーで培った地面を蹴る力、いわゆる“地面反力”を上手に使っているから見た目以上にパワーもある」

武市は個人的にとても好きなスウィングらしく、自然と笑みがこぼれる。

「最近、試合でいい成績を残しているから、注目していたんだけど……5月の『中部アマチュアゴルフ選手権』は出てた?」

「ちょうど修学旅行と重なったので、試合は諦めました。でも、めっちゃ楽しかったので、行ってよかったです」

「学校行事を優先するなんてサイコーだね! これからも期待しているからがんばってね!」

現在、中学3年の貴秀くん。残り少ない中学生活を満喫しつつ、さらなる高みを目指してほしいと願う武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2023年7月4日号より