【ゴルファーの“痛み”部位別対処法】<導入編>体の痛みは「動かしながら治す」が基本です
ゴルフを長く続けている人ほど、そして年齢を重ねるほど、ついて回るのが体の痛み。そこで、渋野日向子の専属トレーナーとして活躍する斎藤大介氏に、痛みが出た場合の対処法について話を聞いた。
TEXT/Tomohide Yasui PHOTO/Tsukasa Kobayashi MODEL/Nanoka Hagiwara(Golulu)
解説/斎藤大介
柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。16年より米女子ツアー選手のトレーナーを務め、20年から渋野日向子の専属トレーナーとして活動中。インスタ(golf_fit_japan)でも情報発信中
安静にするよりも動かしたほうが
よくなるケースが多い
シーズンインに向け、そろそろ準備を始める時期だが、いざ動こうとすると固まっていた体が悲鳴を上げ、腰や肩に痛みが出てきたという話はよく聞く。だが、ラウンドには行きたいし……。そんなとき、どうすればいいのか? 渋野日向子選手の専属トレーナー、斎藤大介氏に聞いてみた。
「スウィング中に痛みが出る場合、以前は安静にするよう医者から言われていましたが、今は痛みが出ても動かしながら治すのが基本的な考え方です。痛みがひどくて動けないなら、専門家にケアしてもらう必要がありますが、違和感や我慢できる程度の痛みであれば、自分でケアすることもできます」
ただ、自分でケアするといっても、どうすれば痛みがやわらぐのかわからない。どんなことに気をつければいいのか。
「痛みがある部位を直接動かすのではなく、上下の関節を動かしてあげるのがケアの原則です。たとえば、ひじが痛かったら手首や肩を動かしてあげます。そうすると結果的にひじへの負担が減り、痛みがやわらいでいきます」
なるほど。それはいいことを聞いた。ゴルファーの一番の悩みである腰痛の場合、上下の関節というのは、どこになるのか。
「腰の場合はお腹と背中を伸ばします。腰の痛みはほとんどの場合、前後のバランスが崩れていることが原因で発生します。バランスが崩れているということは、どちらかを使い過ぎて、どちらかが使えていないわけです。使い過ぎている部分は緩め、使えていない部分を締めるとバランスが整います。そうすると痛みがやわらぎます」
これらのポイントを押さえておけば、どんな体の痛みにも対応できるという。ここで紹介する対処法は痛みの緩和だけでなく、予防にも効果があるという。
【Point】
痛い部位は直接動かさず、連動する関節や筋肉を刺激
痛みをやわらげるには、患部に直接働きかけるのではなく、連動する関節を動かすことで周りの筋肉に刺激を入れてあげる。体の上下左右のつながりを意識するのがポイントだ
では具体的にどんな運動をすればいい?
痛みの部位別にチェック!
#1 「腰」の痛み
#2 「肩」の痛み
#3 「背中」の痛み
#4 「股関節」の痛み
#5 「ひじ・手首」の痛み
#6 「ひざ・足首」の痛み
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月8日号より