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【JLPGA新人戦】ツアー2勝の“新人”川﨑春花がハイレベルな争いを制す

<JLPGA新人戦 加賀電子カップ/グレートアイランドC(千葉)/6482Y・パー72/12月8日~9日>
PHOTO/Shinji Osawa

“新人戦”といいながら、すでにレギュラー、ステップ合わせて計12勝を挙げているハイレベルな新人たちによる争いは、ツアー2勝の川﨑春花が貫録の優勝を果たした。

昨年11月に最終プロテストを合格した「94期生」21人が優勝を争う「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」が12月8日・9日の2日間で開催され、国内メジャー1勝含む今季レギュラーツアー2勝の川﨑春花が優勝。

2日間を通じショットの調子は良かったものの、初日はパットに苦しみつつ「勝負の流れを考えながらプレーできた」という勝利は、もはや新人とは呼べない域に達している。

「今日も含め今季で自分の課題がはっきりしてきたので、オフにそれを克服し来年はメルセデスランク1位を目指します!」と会見で語った川﨑。

来シーズンも台風の目となること間違いなしだ。

「課題はパットと100ヤード以内のショートゲームです」という川﨑。しかし最終ホールでは外すとプレーオフという2メートル強の下りのフックラインをど真ん中から決めた

レギュラー3勝&ステップ9勝! 94期生がスゴい

新人戦とはいえ例年になくハイレベルな戦いとなった同大会。

その理由はもちろん、ここ数年で急激に上がってきた若手選手の実力によるところが大きいが、理由はもう1つある。それはプロテストと新人戦の”時間差”。

19年に行われたJLPGAプロテスト規定の変更に伴いプロテストが6月から11月へと変更になったことで、それまで6月のプロテスト合格者は12月の新人戦で戦っていたが、11月の合格者による新人戦は翌年の12月に行われることに。

川﨑の発言にも見て取れるが、要するにある程度の“経験”を積んだうえで戦いに臨むことができるようになったのだ(同大会終了後、来年は3日間大会に変更し、95期生と来年誕生する96期生の2世代が出場することが発表された。これは前述の“ずれ込み”を元に戻すための策と考えられる)。

ちなみに19年合格者(92期生)は、新人戦の日程(20年12月)が全米女子オープンと重なったため出場辞退者も多かった。

翌年(93期生)はプロテストが21年6月にも開催され、新人戦は同年12月と事実上旧制度と同様の形式に。これらの理由もあり、今年はこれまでにない熾烈な戦いとなったというわけだ。

もちろん個々の実力も高かった。川﨑以外にも尾関彩美悠が1勝しており、竹田麗央、佐藤心結、櫻井心那の3人は2位を経験している。さらに櫻井はステップ・アップ・ツアーで今季5勝の快挙を遂げており、94期生だけでステップ9勝。下部ツアーに関しては94期生が”席巻”した形となった。

川﨑、尾関、佐藤の3人は来期のシード権を獲得しているが、ほかにもQT上位者である天本ハルカ、竹田麗央、泉田琴菜、仁井優花は前半戦の出場権がほぼ確定している。

ちょっと気は早いが、彼女たちにも注目したい。

2位の永嶋花音は「焦りもあったけど、最後は楽しもうと思った」

2日目5アンダーと猛追するも届かなかった竹田麗央。QTランク22位の資格でレギュラーツアーに参戦する

優勝狙いで攻めに攻めた、ツアー1勝の尾関彩美悠。「楽しかったけどちょっと悔しい」

<JLPGA新人戦 加賀電子カップ・最終成績>

優勝川﨑春花-7
2位永嶋花音-6
3位T竹田麗央-5
3位T髙久みなみ-5
5位大林奈央-3
6位T宮澤美咲-2
6位T佐藤心結-2
6位T須江唯加‐2

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月27日号より