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日本シリーズは谷原秀人が連覇も、2022シーズンの主役は“Z世代”

<ゴルフ日本シリーズJTカップ/東京よみうりCC(東京)/7023Y・パー70/12月1日~4日>
PHOTO/Tadashi Anezaki

国内男子ツアー最終戦は44歳の谷原秀人が制覇したが、2022年シーズン全体を見ると、90年代後半以降に生まれた、いわゆるZ世代の活躍が目立つ1年だった。

アマで2勝を挙げプロ転向した蟬川泰果をはじめ、若い世代が躍動した男子ツアー

谷原秀人が連覇を果たした日本シリーズで国内男子ツアーの全日程が終了。賞金王は27歳の比嘉一貴が2位に約7000万円の差をつけて初戴冠。その比嘉を含め、20代が多く活躍した一年だった。

その証拠に、今季優勝した16人の平均年齢は27.6歳と、データが残る1985年以降で最も若い記録となっている。とくに賞金ランク2位の星野陸也より下の世代、1990年代後半以降に生まれた、いわゆる「Z世代」と呼ばれる若手の台頭が目立った。

星野は21試合に出場し、優勝は地元開催のHEIWA · PGMの1勝にとどまったが、2位3回を含む11試合でトップ10入り。また総合的な実力を測る指標のメルセデス・ベンツトータルポイントランキングでは2位に約70ポイントの差をつけ堂々の1位と実力の高さを見せつけた。

メルセデス・ベンツトータルポイントランキングとは、総合的に優れたプレーヤーを選出することを目的に、9部門(平均ストローク、平均パット、パーキープ率、パーオン率、バーディ率、イーグル率、ドライビングディスタンス、フェアウェイキープ率、サンドセーブ率)をポイント換算した順位。スタッツ上では、星野陸也の総合力の高さは、ツアーの中でも圧倒的だったということになる。

そのほか、平均320Yという驚異の飛距離を誇る河本力、95年ぶりにアマで日本OPを制した蟬川泰果が複数回優勝を挙げ、ツアーを盛り上げた。

さらに、ツアー1勝で今年の全英OPで日本人最上位だった桂川有人、同じくツアー1勝で逆輸入プロの大西魁斗、今年のJTカップに出場した岩﨑亜久竜、片岡尚之、清水大成、大岩龍一、長野泰雅、未出場ながら実力上位の金谷拓実、中島啓太、久常涼などもこの世代だ。

「女子ツアーに比べ、若手が育っていない」といわれたのは今や過去の話。来季からは、久常は欧州ツアー、桂川と大西は米国下部ツアーのコーン・フェリーツアーに活躍の場を移す。だが、国内男子ツアーの来季の主役がこの「Z世代」から生まれることはほぼ間違いないだろう。

面白くなってきた男子ツアーにこれからも注目だ!

最終戦は44歳の谷原が意地の逆転優勝。最終日18番のパーパットは距離は2mだったものの「あのラインはパーかダボしかない」というほど難しいラインを入れてガッツポーズ

<ゴルフ日本シリーズJTカップ・最終成績>

優勝谷原秀人-12
2位T岩田寛-11
2位TC・キム-11
2位T出水田大二郎-11
5位T石川遼-10
5位T小平智-10
7位星野陸也-9
8位T桂川有人‐8
8位T蟬川泰果-8
8位T稲森佑貴-8
8位TB・ケネディ‐8

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号より