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【選手を支えるパパコーチ】#2 菅沼菜々 父が授けた独自理論で個性に磨きをかけた

年間女王に輝いた山下美夢有をはじめ、古江彩佳、菅沼菜々、尾関彩美悠など、いまをときめく女子プロたちのなかには、父親がコーチを務めているケースも少なくない。専門の「プロコーチ」全盛のいま、なぜ父に教わっているのか、どんな指導を受けているのか、女子プロの「パパコーチ」事情を調査した。

PHOTO/ Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara、Tsukasa Kobayashi、Takanori Miki

今季何度も優勝争いを演じ、一躍ブレークした菅沼。優勝こそなかったものの、33試合中15度のトップ10入りを果たした

菅沼菜々の父・真一さん
「雑誌やテレビで勉強した」

小学生時代から父・真一さんの教えのもと、二人三脚で歩んできた菅沼菜々。今季メルセデス・ランキング8位と上位に食い込む活躍を見せ、来季、初優勝が期待される選手でもあるが、プレー面以外でも父が娘を支えている。

菅沼は“広場恐怖症”であることを告白しているが、そのため新幹線や飛行機といった公共交通機関を使用することができない。国内の移動はすべて父親が運転する車移動に限定され、今季も開幕戦の沖縄や8月の北海道ラウンドをすべて欠場した。開幕前に「計画的にポイントを取っていかないと、シード権を獲得するのは難しい」と語っていたが、その言葉通り、出場する試合で確実に好成績を収め、試合数が他選手よりも少ないながらメルセデス・ポイントで上位に食い込んだ。

その原動力となっているのが、ジュニア時代から受ける父親の指導。以前「雑誌やテレビを見て勉強しながら自分なりに教えてきました」(真一さん)と語っていたが、娘の個性を伸ばしながら、独特なアップライトなスウィングを作り上げた。長いシーズンを戦い抜くうえで、コーチとしての役割以上に、心強い存在だったに違いない。

父の教え1
アップライトな高いトップ

「小学生からずっとアップライトです。過去のプレーヤーに近づけるよりも、自分の振りやすさや感覚的なものを少しずつ固めていった感じです」(菜々)

父の教2
左足体重でバックスウィング

「我が家では“右足骨折”と呼んでいるんですが、ちょっと左右にスウェイしているな、というときに、左足体重で打つ練習もよくやっています」(菜々)

父の教え3
目隠しアドレス

調子が悪くなると、つま先寄りの重心位置になるという菅沼。そのため目隠しをして、父に体を押してもらい、足の裏全体で地面をつかまえ、低い重心位置を保つ練習をしている。

>>菅沼家の教え、詳細はこちら

馬場咲希の父・哲也さん
菅沼親子に憧れて娘にゴルフを

その菅沼親子に刺激を受けて、父娘でプロを目指している選手もいる。今年の全米女子アマを制した馬場咲希と父・哲也さんだ。

哲也さんは菅沼親子に憧れを抱き、娘にゴルフを始めさせたという。その後、菅沼がプロの世界でも活躍している姿を目の当たりにして、勇気をもらっていると話す。「ジュニアでは親の努力が子供の成績に比例すると言われています」(プロコーチの先駆け・内藤雄士プロ)というように、親子鷹でプロを目指す選手は多いが、かつての宮里藍親子や横峯さくら親子のように、菅沼親子もまた“パパコーチ”の目標になっている。

「菅沼さん親子が進むべき道と見本を示してくれました」(哲也さん)
シングルハンディの腕前を誇る哲也さんは、同じ練習場に通っていた菅沼親子を目にし、「あんな関係になりたい」と娘にゴルフを始めさせた。「ジュニアは親が帯同するのは当たり前ですが、プロになった後も献身的に娘を支えている。あれだけやるのは大変だし、すごいと思います」

「今後は娘との距離を見ながらサポートの仕方を考えます」

「今は一緒にやっていますが、早く自立してほしい気持ちもあります(笑)。娘が必要としてくれればやりますが、あとは娘次第。くっつきすぎず、離れすぎない、距離感を見ながらできることをやっていきたい」(哲也さん)

週刊ゴルフダイジェスト 2022年12月13日号より

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