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山下美夢有のツアー新記録“60”はなぜ出たのか?

ツアー新記録を出した山下だけでく、最近の女子プロはビッグスコアが頻発。その秘密に迫った。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、大会提供

山下美夢有 2001年生まれ大阪府出身。今年は2勝を含む13試合連続でトップ10入りと好調

頭のいい選手が増えてきている

ミヤギテレビ杯の初日、山下美夢有がとんでもないスコアを出したが、思い返せば昨年も稲見萌寧が「61」を出したり、ビッグスコアを出す選手が増えてきている。この現象に何か理由はあるのか? 佐伯三貴プロに聞いてみた。

「コースの状況にもよりますが、選手の視点で見た場合、昔と違って、今はデータ全盛の時代。練習内容もどんどん効率的になっていって、“自分に必要な部分”を短時間で習得できる。だからこそ、ジュニアの頃からマネジメントなどを学ぶ時間ができ、ゴルファーとして頭がよくなっていて、スコアメイクが上手な選手が多いんだと思います。これからどんどん山下さんのような選手が増えてくると思いますよ」

「バーディチャンスを多く作れたことが一番の要因です」(山下)

「ツアー全体のレベルアップがビッグスコアを呼んでいます」(佐伯)

要因1 下の世代からの底上げで技術力アップ

「選手個々のレベルが上がっている。ゴルフの環境がよくなったのが一因ですね」

要因2 マネジメントの技術も上がっている

「普段から実戦を想定した練習をしている子が多い。マネジメント能力が高いです」

スコアが出る条件1 ラフがそこまで深くないこと

「ラフが短ければ単純に簡単ではあるけど、昨今の異常気象などでラフを“伸ばせない”場合もあるんです」

スコアが出る条件2 グリーンが止まりやすいこと

「グリーンも気象条件に大きく影響されます。なかなかハードに仕上げられないという現実もあると思う」

歴史の目撃者は語る

青木瀬令奈(同組)
「ワンピン以上もしっかり決めていた」

「自分も悪いプレーではなかったのですが……パットが入っていた印象ですね。マーカーとして初めて60って書きました。すごいゴルフでした」

菅沼菜々(同組)
「やばい、怖い、本当にスゴイ」

「自分も悪いプレーではなかったのですが……パットが入っていた印象ですね。マーカーとして初めて60って書きました。すごいゴルフでした」

大西翔太(青木のキャディ)
「途中から変な雰囲気になりました」

「8番あたりから、集中力が研ぎ澄まされているように見えました。入るラインが見えているんじゃないかなと思うくらいパットがすごかったです」

現場担当Y記者
「乗ったら入る。そんな印象です」

「雨でグリーンが止まりやすく、ピン周りにビタビタつけていた印象。パットもカップに吸い込まれていく感じで冴え渡っていましたね」

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より