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【名手の名言】トム・ワトソン「自分の体が緊張にどう反応するのか知っておくこと」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はジャック・ニクラスを継ぐ“新帝王”とまで呼ばれた名手、トム・ワトソンの言葉を2つご紹介!

ニクラスを破り1982年の全米オープンを制したトム・ワトソン


自分の体が緊張にどう反応するのか
知っておくこと。
そこから先の対応力が勝負を決する

トム・ワトソン


ワトソンの言葉には歯切れがある。形容詞が少なく論理的で、簡潔なワードで要点をズバリと表現する。難関・スタンフォード大学を卒業していて、もしプロゴルファーにならなかったら、弁護士になっていただろうといわれる所以だ。

表題の言葉は、全米オープン(1982年、ペブルビーチGL)に勝ったときのことを分析して語ったもの。

ペブルビーチの18番、左サイドはグリーンまで海が迫っていて、プレッシャーのかかる最終ホールとして幾多のドラマを生んでいる。ワトソンは17番パー3でチップインのバーディを奪って単独首位に立ち、重圧はいやがうえにも高まっていたに違いない。

このとき、ワトソンは自分の心と体を冷静に「今、自分はアドレナリンが噴き出ているはず」と分析。そしてドライバーより正確性のあるスプーンをチョイス。そのクラブでもアドレナリンのせいで、距離もドライバーと変わらないはずと判断したわけだ。

そのもくろみ通りのショットを放ち、ワトソンは帝王ニクラスを破り、新帝王への道を歩み出すのである。


手抜きをすれば
敗北を認める姿勢ができてしまう

トム・ワトソン


トーナメントで上位を争う時に手抜きする人はいない。問題は下位に沈んでいる時だ。どうせ1打よくても順位はたいして変わらないと、手を抜いてしまいがちになる。しかしそうすると自分でもう敗北を認めてしまうことになるし、一緒に回るプレーヤーからも軽んじて見られることにもなる。

最後の最後までベストを尽くす。その試合はだめでも、次につながることもあるのだ。それに一度でも手を抜くとそれが癖になり自分をスポイルすることにもなる。

何よりゴルフをリスペクトし、真摯に取り組むワトソンならではの言葉だ。

■トム・ワトソン(1949年~)

米国・ミズーリ州カンザスシティ生まれ。スタンフォード大学時代は勉学に力を注いだのか、これといった成績は残していない。71年プロ入りと同時にツアー参加。ツアーでの勝利数は39。メジャーは全米オープン1勝(82年)、マスターズ2勝(77、81年)、全英オープン5勝(74、77、80、82、83年)の計8勝。帝王二クラスを継ぐ新帝王といわれるまでになったが、極度のイップスに襲われ、全米プロはとれず、グランドスラマーにはなっていない。知性派として知られ、88年にはゴルフ殿堂入りも果たした。