Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • プロ・トーナメント
  • 「練習場は一番前の打席で打つ」全米女子アマ覇者・馬場咲希の強さの秘密に37年前の覇者・服部道子が迫る!<前編>

「練習場は一番前の打席で打つ」全米女子アマ覇者・馬場咲希の強さの秘密に37年前の覇者・服部道子が迫る!<前編>

今年8月、17歳の馬場咲希が全米女子アマで優勝を果たした。日本人として37年ぶりとなる優勝とあって一躍脚光を浴びたが、その37年前に日本人として初めて優勝を果たしたのが、服部道子。奇しくも同じ高校2年での大会制覇だった。このたび、その新旧チャンプの対談が実現――。

TEXT/Mika Kawano PHOTO/Hiroyuki Tanaka

服部道子(左)……1968年生まれ、愛知県出身。1984年に高1で日本女子アマを初制覇し、翌年、全米女子アマ優勝。アメリカ、テキサス大卒
馬場咲希(右)……2005年生まれ、東京都出身。今年6月の全米女子オープンで決勝進出、7月全米ジュニア出場、8月に全米女子アマで優勝

「試合が終わったときは寂しくなっちゃいました」

服部 私も咲希ちゃんと同じ高校2年で全米女子アマを獲っているんです。誕生日が9月だから16歳でしたけれど実質17歳。咲希ちゃんの活躍を見て当時を思い出しました。

馬場 どんな思い出ですか?

服部 アメリカに行って「あぁ、こういう世界があるんだ」と思ったこと。ただその場にいるだけで楽しかったこと。終わってもこのまま続けてやりたいと思いました。

馬場 わぁ、私も同じです。試合が終わったときは「やったぁ」って思ったんですけど「明日はプレーできない」と思ったらちょっと寂しくなりました。

服部 咲希ちゃんは特に早く終わっちゃったからね。決勝戦の11&9はありえないですよ。1回戦なら1位と64位が対戦するから大差の決着はあるけれど、勝ち上がってきた調子の良い人同士の決勝戦でこんなの見たことないです。

馬場 決勝戦の相手のインタビューを見たら、準決勝までボギーを打たなければ勝てると思ってプレーしていたけれど、決勝ではいいショットを打っても咲希が全部ピンを狙ってくるから追いつく隙がなかったと言っていました。

服部 練習場で咲希ちゃんのショットを見てその時点でプレッシャーを感じていたんでしょうね。

馬場 練習場では一番前の打席で打つようにしているんです。私、相手のことは見ていないんです。

服部 それはなぜ?

馬場 相手が私のこと見るかな、と思って(笑)。

服部 準決勝の相手は咲希ちゃんのプレーを練習ラウンドのときから注目していて、すごく飛ばすいい選手だって思っていたみたいよ。

馬場 私は人のプレーとかあまり気にしなくて自分のゴルフをするだけと思うタイプなので、それが良かったのかなと思います。

服部 全米アマに勝った年、私、本当は全米女子ジュニアを狙ってたんです。全米女子アマはちょっとハードルが高いかな、って。でも(全米女子ジュニアで)まさかの2回戦負けで傷心のまま全米女子アマに出て勝ったんですよ。

馬場 私もまったく同じです! 全米女子ジュニアの前、結構調子が良くてそっちのほうが狙えるかな、と思っていたら2回戦落ち。途中3アップまでいったのに後半バババッて取られて逆転負けでした。全米女子アマは勝てるとは思っていなくて、ただ決勝まで行けば(来年の)全米女子オープンに出られると聞いたので、ぼんやりと決勝には行きたいなという気持ちでした。まさか勝てるとは自分でもびっくりです。

>>馬場咲希はなぜ強い? 服部道子がさらに深堀り!

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月4日号

こちらもチェック!