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PGA対LIV、法廷での闘争は泥沼化へ?

マスターズ2勝のバッバ・ワトソンがLIV参戦を表明。全英オープン覇者のキャメロン・スミスの移籍もささやかれるなか、LIV移籍組がPGAツアーを相手取って訴訟を起こし、両者の対立はついに法廷闘争に突入した。

ワトソンが移籍を決意したのは6月。「妻が(LIVを)気に入った。ゴルフを世界に広げる一翼になりたい」と理由を説明。テレグラフ誌の記事によると、移籍契約金はおよそ5000万ドル(約67億円)だがひざの手術を受けたため、出場は早くても10月になる見込みだ。

8月3日にはP・ミケルソンらLIVゴルファー11名(その後C・オルティスが抜けて10名に)が独占禁止法に違反するとしてPGAツアーを訴えた。他リーグ出場でツアーの出場停止や資格停止は違法だという内容が105ページにわたって記されており、なかでもミケルソンに関しては、「LIVゴルフにPGAツアー所属の選手を勧誘したとして資格停止になったのは不当である」と問題提起している。

一方ツアー側は強気の構えだ。「彼らをイベントに再出場させることは大会に混乱と危機をもたらす」とモナハンPGAツアーコミッショナーが反論。長期戦の構えで訴訟を受けて立つという。

そんななか、LIV組のT・グーチ、M・ジョーンズ、H・スワフォードがプレーオフシリーズ出場許可を求める申請を行ったが、連邦裁判所の公聴会で却下された。判事は判決で申請が認められるためには、「3人の原告が取り返しのつかない損害を受けた場合に限られるが、すでにLIVから多額の移籍契約金が支払われているため、たとえ同シリーズへの出場を逃しても“取り返しのつかない損害には当たらない」として申請を却下した。

そのため、3人を含むLIV組がポイントランクから排除され、R・ファウラーが一時125位に滑り込んだ(8月17日現在は133位)。2戦目に進めなかった彼にもLIV移籍の噂がある。PGAツアー vs LIVの法廷闘争は、この先長く続くことになりそうだ。

両者に明るい未来は来る?(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月6日号より

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