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酷暑は日本だけではない! 乾燥による山火事、水不足で欧州ゴルフ場が悲鳴

酷暑は日本のことだけではない。先月、西ヨーロッパを襲った熱波は日本以上だった。

特にスペインやポルトガルでは乾燥も加わり、例年の4倍にも上る山火事が発生。それがゴルフコースにも影響を及ぼしている。スペインでは、ヘリコプターがコースの池の水を利用して山火事の消火にあたったというし、ポルトガルではゴルフコース自体が山火事の被害を受けた。

ポルトガル南部にある海辺の街キンタ・ド・ラーゴは、不動産価格でいえば一軒あたり数億から10数億円にもなる超高級リゾート。有名人が多く別荘を構えるが、ここが山火事に見舞われ、近隣ゴルフコースにも被害が出たという。ゴルフコースは樹木などが焼失したが、フェアウェイが防火帯の役割を果たしたこともあり、人的な被害は最小限にとどまったとされている。

しかしゴルフコースの被害はそれだけでなく、乾燥によって水不足が発生する事態に。ポルトガル南部では住民の飲み水等を確保するために、州政府がゴルフ場の水使用制限を発令したが、これは英国でも検討されているそう。

慢性的な水不足に見舞われるアメリカ西海岸のゴルフコースでは池を増設し、井戸を作り、さらにリサイクル水も使用することで水の使用を30%抑えることに成功したというが、あるいは今後、ヨーロッパのゴルフコースも、池絡みのホールが増えることになるのかもしれない。

いずれにしても、ゴルフ場に直接ダメージを与える異常気象や温暖化の問題は、看過できないことは間違いない。

暑さと水不足はゴルフ場にとっても過酷な環境(PHOTO/Shinji Osawa)

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号