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プロ予備軍の“女の戦い”160人の頂点に立ったのは今年5回目のプロテストに挑む23歳

全英オープンの同じ週に太平洋クラブ大洗シャーウッドコースで開かれた国内女子の「プロテストの費用は腕で稼げ女子トーナメント」は、プロ予備軍の160名が参戦し、白熱した展開で幕を閉じた。

優勝して賞金300万円を手にした谷頭(たにがしら)さつきは23歳。高卒後、マスターズゴルフアカデミーで藤井かすみに師事。プロテストは過去4回失敗し、今秋5回目に挑む。

最終日、15番まで2位に3打差をつけていた谷頭は、終盤の3ホールで3打のリードをすべて吐き出す乱調ぶりだったが、2位の2選手が18番でともにボギーを叩き、3人によるプレーオフにもつれ込むと、ここから切り替え、驚異的な気持ちの強さを見せた。

プレーオフ1ホール目、2打目の残り157ヤードを6Iで50センチにつける渾身のショットでバーディ。2ホール目も危なげないプレーで、相手選手が1メートルのパーパットを外し、勝利を手にした。

「18番でダボを叩いたときは、今日は自分の日じゃないと思いました。でも3人が並んだ瞬間、まだ自分にもチャンスがあると思って気持ちを切り替え、全力で挑みました」

この闘争心、気持ちの切り替えの早さがプレーオフ1ホール目、2打目のショットに結び付いたのだった。

「優勝賞金の使い道ですか? 今秋予定されているプロテストのファイナルは大洗GCなんです。でも大洗はプレーしたことがないので、その練習ラウンドの費用に使おうと思います。それと100人以上の大会で優勝したのは初めてなので……自分へのご褒美に、何か、ちっちゃなものでも買おうかな」

プレー中は終始厳しい表情を崩さなかった谷頭。そのときだけは普通の23歳の女性に戻って、小さくはにかんだ。ヒリヒリする緊張のなかで勝ち取った勝利は、必ず未来へつながるだろう。

5回目のプロテスト挑戦を控える谷頭。がんばれ!

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月9日号より

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