【エビアン選手権】体格差もなんのその! 150センチ台の日本勢がショット力で渡り合った
<アムンディ エビアン選手権/エビアンリゾートGC(フランス)/6523Y・パー71/7月21日〜24日>
PHOTO/Tadashi Anezaki
7人の日本人選手が出場した女子メジャーのエビアン選手権。畑岡奈紗、古江彩佳、西村優菜、西郷真央の4人は決勝ラウンドでも活躍。他の外国人選手と並ぶと、小柄な彼女たちはひと際目立つ。さらに、畑岡以外の3人はドライバーで置いていかれることもしばしば。そんな逆境を跳ね返し、なぜ彼女たちは海外選手と互角に戦えたのか、記者グッチーがレポート。
過去に宮里藍が2回、小林浩美が1回優勝していることもあって、日本人にも馴染みがあるアムンディ・エビアン選手権。会場であるエビアンリゾートゴルフクラブの特徴は、なんといっても“アンジュレーション”です。大会のヤーデージは6527ヤード(パー71)しかないため、現地では「難易度を上げるためにグリーンだけでなくフェアウェイにもアンジュレーションを作った」といわれています。
レマン湖畔の高台に作られたホールは湖に向かって傾斜しており、予選落ちした渋野日向子は「平坦なところがティーイングエリアしかない」と表現していました。また、メジャー仕様の深いラフと、アゴが高いガードバンカーもあるので、かなり戦略性の高いコースになっています。
そんなコースで“西西古畑”が世界のトップと互角に戦えているのはピンに絡むショット力のおかげでしょう。3日目時点でパーオン率は西郷真央が83.33%で6位タイ、そのほか3人が77.78%で26位タイと上位にいます。そしてフェアウェイキープ率も西村が89.74%で2位タイ、西郷が82.05%で12位タイにいます。なお、西村のドライビングディスタンスは予選通過した73人中69位の234.3ヤードで、1位のキム・アリム(身長175センチ)の282.3ヤードとは、その差約50ヤードあります。ただし、3日目が終わった段階で西村が6アンダー、アリムが8アンダーと差はわずかです。この結果からもピンに絡むショット力がスコアに直結しているといっていいでしょう。
それにしても、西村と西郷はメジャーでも物怖じせず、日本にいるときと変わらず戦えているのが凄いなと思うのは私だけでしょうか……。
このあと、今大会に挑んだ7人の女子選手は全員が来週の海外メジャー最終戦『AIG全英女子オープン』に挑みます。
西村優菜
230ヤードのドライバー飛距離で奮闘する西村。だいたい“セカンドオナー”になるが、傾斜するフェアウェイからも、うまく“ライを利用して”ピンに寄せている。2打目のアイアン精度が抜群だ
西郷真央
2日目にカートが衝突する事故があったが、そうしたトラブルにも落ち込むことなく、3日目にノーボギーの65をマーク。国内ツアーでの勢いをそのままに、メジャーでも活躍している
古江彩佳
このメジャーの前に一時帰国し、コーチの父とともに、修正点を洗い出したという古江。「リズムが良かったです。ショットもピンに絡んでいた」(古江)。初日は9バーディと圧巻のプレー
畑岡奈紗
古江と同様に、一時帰国している間に、日本のコーチとスウィングやパットの修正に取り組んだ畑岡。悲願のメジャータイトルと意気込んでいたが、3日目に伸ばせなかった。来週の全英女子に期待
渋野日向子は約1カ月ぶりの実戦で予選落ち
本調子までもう少し!
米女子プロでの失意の棄権から約1カ月。大会前から渋野自身も「体調面は問題ありません」と笑顔で応えていたが、ドライバーでたびたび手を離すなど久しぶりの実戦で思うようにいかず、「パットもですがショットも思い通りにいかなかった」と悔しがった
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月9日号より
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