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【資生堂レディス】練習日は“エースを温存”。青木瀬令奈が得意のパットで逃げ切りV!

<資生堂 レディスオープン/戸塚CC(神奈川)/6570Y・パー72/6月30日〜7月3日>
PHOTO/Tadashi Anezaki

異例の早い梅雨明けとなり、猛暑のなか行われた資生堂 レディスオープン。熱戦を制したのは29歳の青木瀬令奈だった。4日間通しての60台でトータル14アンダーは圧巻。暑さに負けず、最後まで冷静に自分のゴルフをやり切り、これでツアー3勝目。“強いセレナ”が帰ってきた。

資生堂レディス優勝の青木瀬令奈は「68」「69」「68」「69」と出場したプロで唯一となる4日間60台を重ねて優勝。その青木の今年のスタッツを見ると、パーオン率は60.70で76位、ドライビングディスタンスに至っては222.63Yで94位とショットでスコアを作るタイプではない。しかし、パーセーブ率は86.11%で14位、平均バーディ数も3.28で7位と上位につけている。

飛ばないのにパーセーブしたり、バーディを量産できている理由はパッティングだ。パーオンホールでの平均パット数は約1.75で2位、1ラウンドあたりの平均パット数は27.76で2位ということからも、青木のパッティング巧者ぶりが見てとれる。本人に聞くと、「とくに変えたってことはないですが、今年は練習日に違うパターを使うようにしています。本番に向けて新鮮味を出したいので、エースを温存というか、感覚を鈍らせて本番に臨んでいる」という。

青木のエースは『オデッセイ トリプルトラック TEN』だが、練習日には同じオデッセイの『ELEVEN』だったり、長さが違うパターを使用している。青木のキャディでもある大西翔太コーチは「練習日と本戦はグリーンの速さなどの外部環境も違いますし、緊張などして自身のコンディションもかなり違います。練習日にタッチを合わせてしまうと、本戦で合わなくなる可能性もあるので、それを避けるためだと言っていました」と説明する。

最終日最終組で一緒だった吉田優利も青木のパッティングを「瀬令奈さんのパッティングストロークは本当に良くて、コーチとその話をしたり、瀬令奈さんの真似をしたりしているくらいです」と舌を巻いていた。

7UTまでバッグインの“8本木”セッティング

大西コーチによると「7番UTの距離は7番アイアンと変わらないのですが、スピン量が500rpm増えたことと、弾道が1~2段階高くなったことで狙ったエリアに止められるようになった」という

ボールにもヘッドと同じ3本ライン!

黄アルムが「64」のコースレコード

「レコードっていうことをいま聞きました。初日から3日目までパットが入らなかったのですが、その分が今日入ったのかなと思います」と自身で解説していた

吉田優利は惜しくも2位タイ

「最終日はショットが安定しないなかで、アンダーで回れたのは良かったです。再来週はオープンウィークなので、来週も優勝争いできるように頑張りたいです」(吉田優利)

<資生堂 レディスオープン最終成績>

優勝青木瀬令奈-14
2位T黄アルム-12
2位T菊地絵理香-12
2位T吉田優利-12
5位T大出瑞月-11
5位T勝みなみ-11
5位T山下美夢有-11
5位Tささきしょうこ-11
5位Tユン・チェヨン-11

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月19日号より