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「試合がないなら作ってしまおう!」出場資格がない選手のための新規大会「静岡レディースオープン」構想から半年で実現

<静岡レディースオープン/朝霧CC(静岡)/6431Y・パー72/6月10日>
PHOTO/Hiroaki Arihara

毎週のように各地で熱戦が繰り広げられる女子ツアーだが、その陰で、試合に出たくても出られない女子プロが数多くいる。そんな選手たちに出場の機会を、とこのたび新規大会「静岡レディースオープン」が開催された。

JLPGAツアーやステップ・アップ・ツアーなど、女子の試合は毎週のように全国各地で開催されているが、そこに出場できる選手はほんのわずか。試合に出られない、活躍の場がない……。「それなら自分たちで作ろう」と、始まったのが「静岡レディースオープン」。今回が記念すべき第一回大会で、大会の実行委員長を務めたのは石川恵プロ。「大会の構想が持ち上がったのが今年の1月。そこからたった半年で開催にこぎつけられました。ほんとうに皆さんの協力のおかげです」

大会の実行委員長、石川恵。準備期間約半年での開催の立役者の一人。「寝ないで準備した日もありましたね」と振り返りながら「来年は……」と、すでに“次”を見据える

大会には運営会社などを入れておらず、すべて“手作り”。実行委員会を立ち上げ、メンバーによる開催コース探し、スポンサー集めから始まった。「最初にお声がけしたのが朝霧カントリークラブさんだったんですが、快諾していただけました。大会運営のノウハウもなかったんですけど、逆にスポンサーさんのほうが教えてくれたり。ほんとうに“みんなの大会”です」

当日の運営にもボランティアスタッフが朝早くからが駆けつけた。「私のゴルフスクールの生徒さんも協力してくれたんですよ」。揃いのピンクのジャンパーのスタッフたちがキビキビ働く様子がすがすがしい。

大会には、レジェンズ選手、レギュラー選手、研修生、アマチュア選手、合計95人が参加。表純子や西山ゆかり、福嶋浩子ら歴戦の猛者と地元の中学生たちが一緒に回った。これも、選手の実力の底上げを図りたいという大会側の意図。プロのプレーを間近に見るジュニア選手の目が輝いていたのも当然だ。

優勝はレギュラーツアー2勝を誇る西山。実は西山、開催コースの朝霧CCの元研修生でもある。優勝スピーチでは「18歳からお世話になったコース。当時は120叩いていて、それで『プロになります』なんて言って。でも、こうやって戻って来れて、優勝できて……。胸がいっぱい。人生って、いいことあります」と感激の面持ち。

神戸、六甲山のふもとでは「宮里藍サントリーレディス」が華々しく開催中だったが、富士の裾野では「静岡レディースオープン」。キラリと光る大会は「来年は地元の富士宮市が後援してくれることになっているんです」(石川)。そう、静岡レディースオープンはすでに来年に向けて動き出している。

ツアー優勝経験者も参戦!

<最終成績(プロの部)>

優勝西山ゆかり
(プレーオフ)
-2
2位星川ひなの-2
3位T熊谷かほ0
3位T吉田藍子0
(そのほか主なプロの成績)
7位天沼知恵子+2
10位表純子+3

<最終成績(アマの部)>

優勝望月美甫+1
2位佐野楓+3
3位T大村怜央奈+4
3位T長澤愛羅+4

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月28日号より