Myゴルフダイジェスト

【わかったなんて言えません】Vol.84 池村寛世 #4「データ派vs感覚派」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。今週のゲストは前回に引き続き、同じ九州出身で昨年初優勝を飾った池村寛世。トラックマンを購入しデータを見ながら練習する池村と、見た目や感じ方を重視する時松。対照的な2人だが、それぞれこだわる理由があるようで……。

TEXT/Masaaki Furuya PHOTO/Tadashi Anezaki

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名/池村寛世

1995年生まれ、鹿児島出身。10歳でゴルフを始め豪州留学経験も。13年にプロ入りし昨年初優勝。実家は有名焼酎・魔王の原料を作るサツマイモ農家

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時松 今、コーチはいるの。

池村 いないです。

時松 どうしてるの。

池村 よいときのスウィングを撮っておいて悪くなったときのスウィングと見比べたり、数字を比較したりする感じです。

時松 コーチがほしいとは思わない?

池村 よい部分もあるとは思うんですけど、その人の理論が合わなかったときに、スウィングをわざわざ変えたのにって思うのも嫌ですし。調子のバロメーターとしては、自分が一番気持ちよく振れていればいいのかなって思います。

時松 確かに大事だね。なんも考えていないときは気持ちよく振れて調子もいいし。悪いときって、右わき締めて、なんて余計なことを考えるから気持ちよく振れないし、ショットの確率も悪くなるよね。課題はあるの?


池村 レベルアップをしていかないといけない部分もあるので、その都度、課題は作っています。飛ばし屋って言われている限りはパー5でバーディを取らないと話にならない。日によっては1ラウンドで4つ取れている日もあるんですけど、平均すると1つか2つなんです。そこはもう少し上げたいなっていうのがありますね。特にパー5の2打目でレイアップした後の3打目とか、短いパー4の2打目とか、100ヤードくらいのショットでバーディチャンスにつけられないというのを去年はすごく感じた。今年はそこを課題としてやっています。

時松 具体的には、どういうことをやっているの。

池村 トラックマンを使って入射角や軌道の誤差を減らしたり、球の高さやボールのスピン量を意識して練習をしていますね。優勝する人や上位で争っている人はそういうところが正確。だから、そこは磨かなければいけないかなと思って。源蔵さんはトラックマンは?

時松 買わない。なくしたとき、ショックだから(笑)。

池村 いやいや、あんな大きなものなくさないでしょ。トラックマンなくすって聞いたことないですよ(笑)。

時松 いや、けっこうあると思う。さすがに飲み屋には持っていかないだろうけど、でも飛行機に持ち込んで忘れてきて、それで誰かに持っていかれちゃうとか。一台300万円くらいだからショックだと思う。

池村 プリウスが買えますもんね。でもすぐ元が取れますよ。

時松 う~ん。

池村 まあクラブのメーカーさんが持っていますからね。

時松 そうなんだよ。僕はクラブを新しく替えたときくらいしか使わないと思う。

池村 ウェッジで自分が意識しているのは入射角ですね。ターフを取らない人ってアプローチが上手いというイメージがあるので、そこを意識したほうがいいのかなとか思っているんです。源蔵さん、40~50ヤードでターフを取らないじゃないですか。あれってまったくイメージが湧きません。たとえばそのくらいの距離って、どうやって距離感を出しているんですか。練ランで距離計とかは使いますか。

時松 距離は測らないよね。キャディに50ヤードですと言われても、すごく近く見えるときと、すごく遠く見えるときってある。測って50ヤードですと言われても、あ、これは50ヤードないなと自分が感じたときは40ヤードの距離を打ったり、遠くに見えるなと思ったら、大きめに打つ。それは、自分の目とか感じ方で判断するかな。

池村 はぁ~、さすがですね。

時松 そのほうが、失敗したときに納得がいく。ほら、やっぱりねってなんないから。

池村 確かに。

時松 あらためて今シーズンの具体的な目標は?

池村 昨年が賞金ランク22位だったので、今年はトップ10に入りたいなというのはあります。源蔵さんはどうなんですか。

時松 まず優勝。そして3ツアーズに出たい。これはいつも言っていますけれど(笑)。

池村 JTカップは出場資格が賞金ランク30位だけど、3ツアーズは上位6人とかだし、目標としてはいいですね。源蔵さんが出たとき、楽しかったですか。

時松 いや、緊張した。(池田)勇太さんと一緒の組だったから(笑)。勇太さんはショットがよいから全部ピンに絡むんだけど、ベタピンではなくて、入れ頃外し頃の1ピンくらいにつく。パットを打つほうは、1ピンは入れないといけない。それで勇太さんが一緒にラインもめっちゃ読んでくれて、それで入らなかったら「お前さぁ……」って。

池村 勇太さんの強めのタッチと源蔵さんとでは合わなそうです(笑)。でも面白そう。日本で唯一出たことない試合なので今年の目標に加えます。出られたら源蔵さんと組みたいです。

時松 頑張ろう。

「振れる」が調子のバロメーター

「気持ちよく振れれば、何も考えずに一気にフィニッシュまで振り切れます」(池村)

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より