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【サロンパスカップ】不調の原因は「打ち急ぎ」。山下美夢有メジャー完全Vの陰に父の的確なアドバイスあり

<ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ/茨城GC西C(茨城)/6680Y・パー72/5月5日〜8日>
PHOTO/Tadashi Anezaki

GW後半に行われたサロンパスカップは、毎日5000人以上のギャラリーが詰めるなど、コロナ下では久しぶりに熱気に包まれた試合となった。最終日、逃げる山下美夢有に対して最後まで青木瀬令奈が食い下がったが、山下が4日間首位を守り通し、初のメジャータイトルを勝ち取った。

3週連続予選落ちからの復活劇

4日間首位を譲らず“完全優勝”を果たした山下だが、実はサロンパスの前に3試合連続予選落ちしていた。そこで、コーチである父・勝臣(まさおみ)さんが、サロンパスの試合会場にかけつけ、調整をサポートしていたのだ。

「久しぶりに直接スウィングを見ましたが、リズムが狂っていました。ダウンスウィングで打ち急いでいて、結果インパクトでハンドファーストがきつくなっていました。これまでも動画を送ってもらってチェックはしていたのですが、やはり直接見ると違いますね」(勝臣さん)

トップで間を作るようなリズムに変えたことで、劇的にスウィングのイメージがよくなり、それがショットの安定につながったという。最終日の朝の練習場では、ロープの外で勝臣さんがトラックマンのデータをチェック。ドライバーを打ったあとに、山下は父に「どう?」という視線を投げかけ、勝臣さんはオッケーと言うように合図を送っていた。山下親子は、先週の1週間、連日のようにコース攻略を作戦会議。「ピン位置がわかった時点で、18ホールをどう攻めるか2人で話し合いました」(勝臣さん)と、“パパコーチ”は完全優勝を陰で支えていたのだった。

聞けば山下は5歳でゴルフを始めたというが、父の勝臣さんにとってもそのときが初めてのゴルフだったという。

「仕事上ゴルフをやることになって、一緒に娘を練習場に連れて行ったんです。最初は娘もイヤイヤだったのですが、私のドライバーでいきなりナイスショットを打って……。それ以来ハマりましたね(笑)」

ツアー2勝目がメジャータイトルとなった山下美夢有。父娘二人三脚でこのあとどこまで上り詰めるのか、20歳の新たなヒロインに注目していこう。

サロンパスの初日は母・有貴さんの誕生日で、最終日は母の日、最高のプレゼントとなった。父の勝臣さんと長男、次女とキャディと一緒に6人で記念撮影。「(母に)本当に結果で恩返ししたいなというのがありました。こういうプレーができて、私も嬉しいです」(山下)

<サロンパスカップ・最終成績>

優勝山下美夢有-12
2位青木瀬令奈-9
3位T稲見萌寧-6
3位T石川明日香-6
5位T菅沼菜々-5
5位T後藤未有-5
7位T竹内美雪-4
7位T安田祐香-4

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月24日号より