金谷拓実、WGCマッチプレーで強豪撃破。米ツアーで自身初のトップ10入り
世界ランク上位64名が激突した「WGCデルマッチプレー選手権」で日本勢唯一出場の金谷拓実が健闘した。
4人1組で総当たりのグループリーグ(予選)を戦い、各組1位の選手のみが決勝に進出するサバイバルレース。世界ランク63位で初出場の金谷は、同7位のX・シャウフェレ、23位のT・フィナウ、44位のL・ハーバートと同組。もちろん全員が格上だ。シャウフェレとの初戦は敗れ、その時点で「決勝に進むのは無理かも」という思いがよぎるも、ツアー屈指の飛ばし屋フィナウに快勝。さらにハーバートにも勝ち、2勝1敗で決勝リーグ進出をかけハーバートとのプレーオフへ。
するとそこで“金谷らしさ”が炸裂する。ティーショットがバンカーにつかまりパーオンが難しい状況から3打目をピンそばにピタリと寄せるスーパーショット。2オンしていた相手がバーディチャンスから3パットし金谷に軍配、ベスト16進出を決めた。
決勝初戦ではカナダのC・コナーズに敗れたが、予選リーグを勝ち上がったことで成績は9位タイ。これまでPGAツアーで予選を通ったことがなかった彼にとって、初のトップ10入りだ。
「コーリー選手がいいプレーをして、自分がそれをできなかった」と冷静に結果を受け止めた金谷は、アマチュア時代から海外志向が強く、「チャンスがあればすぐにでも」と出場の機会をうかがってきた。だがこれまでは結果を出せず忸怩たる思いも。しかし今回WGCの舞台で強豪と互角に渡り合ったことは大きな自信につながった。フェアウェイキープ率は全体の2位。グリーン周りのアプローチがスコアに与える影響を示す数値では出場者中トップ。
派手さはないが、地味な男がモンスター揃いのPGAツアーで大男を倒す図は、痛快そのものだ。
週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より
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