あなたはかぶる? かぶらない? ゴルファーの“帽子”事情【山を動かす】
ゴルフにまつわるさまざまな問題に関し、読者や識者に率直な意見をぶつけてもらう連載「山を動かす」。今回のテーマはラウンド時の「帽子」の着用について。あなたはキャップ派? バイザー派? それともかぶらない派?
●キャップ派です。若い頃はバイザー派だったんですが、だんだんと頭頂部が寂しくなってきたのでキャップ派に転向しました。当時からキャップは蒸れるからとかバイザーは紫外線に当たるからとか、いろいろと悩みましたが、髪のためにはどっちが良かったんでしょうか?(70代男性・神奈川県)
●バイザーをかぶることが多いですけど、真夏はキャップです。日差しの強い日にバイザーだと頭がジリジリしちゃいますからね。普通の日はバイザーのほうが爽快です。九州のほうに行くと規則でキャップ着用が義務づけられていますけど、プロの試合のときは、その規則は適用されないみたいで、かぶっていないプロもいます。バイザーにしても、キャップにしても、僕はかぶらないでプレーすることはまずないですね。ひさしがあるので、直射日光が目に入るのを防いでくれますから。(海老原清治/プロゴルファー)
●女性でも加齢で髪のボリュームはなくなってきます。30代半ばの頃、真夏にキャップでプレーして、ハーフターンで鏡を見て「これがワタシ!?」とびっくり。髪はキャップでぺっしゃんこ、汗で顔周りに張り付き、まるでお産の直後みたいでした。以来、髪をつぶさない感じのハットを愛用。(40代女性・神奈川県)
●キャップ派ですね。バイザーじゃあ頭の禿げが目立ってしまうじゃないですか(笑)。昔はキャップもバイザーもかぶりませんでした。レギュラーツアー時代の優勝シーンの写真を見ても帽子をかぶっていません。でも、雨の日はキャップをかぶっていました。あと、一時期、メーカーとの契約にキャップも含まれていた際は、もちろんかぶりました。キャップもバイザーも、ひさしで日光が遮られるのが嫌だったんです。九州とか関西では連盟の決まりでキャップが義務づけられているところもありましたけど、若い頃は無視してかぶらないでプレーしていました。慣れなんでしょうか、今はキャップがプレーの必需品になっています。(髙橋勝成/プロゴルファー)
●ショットを曲げて隣のホールに“おじゃま”することもたまにありますが、その際、声をかけたり、頭を下げたりするのはもちろん、キャップをとると、その組の人にも気持ちが伝わりやすいよと先輩に教えられたことがあり、キャップ派です。(30代男性・兵庫県)
●コースで「帽子着用のこと」というお達しがなければ、秋から冬は無帽でプレーすることも。理由は似合わないから。打球事故から頭部を守るといっても、バイザーならあまり意味がなさそうだし、プロツアーで帽子をかぶっていない人もいる。東京五輪ではローリー・マキロイがかぶっていなかったのが記憶に新しいです。(60代男性・静岡県)
●1970年代のプロたちは日本、外国勢含めて帽子類はかぶらないのが普通でした。あえてかぶるなら雨用という考え。ジャンボ尾崎はハットが多かったですね。私が勤務していたブリヂストンスポーツも多くの契約プロがいましたが、帽子を現在のように宣伝媒体とは考えておらず、別に勧めもしなかったですね。帽子が好きという選手もいなかったし。平板な日本人の顔に帽子は似合わないというのが常識としてあったのかもしれません。プロではありませんがブリヂストンの用品用具を愛用してくれた中部銀次郎さんが、九州の有名コースで「帽子をかぶらないとプレーできない。持ってきていないなら貸します」と言われ、フロントからそのまま帰ったこともありました。中部さんは雨でもかぶりませんでした。髪型が崩れるのがイヤだったんですね。“スタイリスト”らしいエピソードです。個人的にカッコいいと思ったのが、80~90年代に活躍したグレッグ・ノーマンのテンガロンハット。背が高く、顔が小さく、顔も正面が細く、側面が長いという欧米人の造作によく似合っていました。テンガロンハットはサム・スニードの甥、エド・スニードもカッコよかった。帽子をかぶるのが普通になったのは90年代からではないでしょうか。(田中徳市/元ブリヂストンスポーツプロ担当)
●ウェアによって変えます。トラッドスタイルのウェアにはシックなハットを合わせることが多いです。(40代女性・東京都)
●僕が所属していた九州の城島高原GCでは、帽子をかぶってプレーするのが決まりでした。打球事故などの危険防止のためで、これは九州ゴルフ連盟で決めていたことだと思います。僕自身はツアーではほとんどかぶりませんでしたね。かぶるとしても日除けのためのバイザーがせいぜい。契約していた「美津濃」のマークつけて。かぶらなかったのはプロとしての“素”をギャラリーやテレビの視聴者に見てもらいたかったから。遠くからではプレーの際の顔の表情が、帽子の陰に隠れて見えづらくなるじゃないですか。髪型も含めてプロとしてのプレースタイルを見てほしかったからです。(鈴木規夫/プロゴルファー)
●つばがフラットなキャップをかぶってみたら、絶望するほど似合わなかったので、つばがカーブしたタイプのキャップに戻しました。(40代男性・千葉県)
●中嶋常幸の“帽子観”を聞いたことがあります。中嶋は当時必ずキャップをかぶっていました。その頃は帽子をかぶるのは珍しく、聞けば「プレー中に自分の世界をつくることができるから」と言う。ショットもそうですが、特にパットの際「帽子のつばの内側に自分だけの静寂な世界をつくることができ、集中できる」と。プロは見られるのが商売ですが、集中するときはギャラリーの目を遮り、自分の世界に入りたいというのです。プロフッショナルとはこういうことかと感心しました。(某ゴルフ記者)
週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より
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