米女子ツアー「2021ベストカムバック賞」は全米女子オープンの笹生優花。選出の理由は?
劇的な逆転勝利を達成した選手に贈られる、米LPGAツアーの「21年カムバック・オブ・ザ・イヤー」に笹生優花が選ばれた。
米西海岸のサンフランシスコに冷たい海風が吹いた6月、優勝候補の一角レキシー・トンプソンに1打差の2位で最終日をスタートした笹生。しかし、出だし直後の2番と3番で連続ダブルボギーを叩き、一時レキシーに5打差をつけられる絶体絶命のピンチに立たされた。
しかし後半ミラクルが起きる。レキシーが13番のダブルボギーで失速すると、上がり5ホールで3ボギーの大乱調。対する笹生は16番、17番で連続バーディを奪ってレキシーに並びかけると、最終18番でパーセーブできなかったレキシーに1打差をつけホールアウト。先に上がっていた畑岡奈紗とのプレーオフを制し、大会史上最年少チャンピオンに輝いた。
なぜこのストーリーがベストカムバックと評されるのか?
それはメジャーの最終日のバック9で5打差をひっくり返した事実に加え、相手が人気&実力ともにトップクラスのレキシーだったから。彼女の歴史的惨敗を演出し、主役に躍り出た19歳の勇姿に、世界中が感嘆の声を上げた。
LPGAツアーのホームページでは、フィリピン国籍の笹生が同国初のメジャー制覇を果たしたことに加え、彼女のスウィングがR・マキロイにそっくりと世界中で評判になったことも紹介されており、SNSで彼女の話題がバズりまくったと伝えている。
「度胸と決断が最終日を支配した。笹生が序盤で連続ダブルボギーを叩いた時点で白旗を上げるのは容易だっただろう。5打のリードを許したのだから。しかし笹生は毅然と立ち向かった」という文言で記事は締めくくられている。
残念ながら笹生が日本国籍も持ち、日本勢としては樋口久子、渋野日向子に続く3人目の和製メジャー覇者であることには触れられていなかった。
週刊ゴルフダイジェスト2022年1月11・18日合併号より
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