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世界一の難関! 米シニアのQTをトップ通過したロブ・ラブリッツって何者?

50歳を過ぎたらシニアツアーでプレーしたい。腕に覚えのある人なら誰もが思い描く素敵な夢。だが現実にその可能性は限りなくゼロに近い。そんななか、世界で最も難しいと言われる米シニアのQTをトップで通過したのは、1人の名もなきクラブプロだった。

米シニアツアーのファイナルQTは、上位5人しか来季の出場権が得られない狭き門。渋野日向子や古江彩佳がLPGAツアーのQTに挑んでいたのと同時期に行われた米国シニアのQTファイナルで最終日ノーボギーの7アンダー「64」をマークし、後続に3打差をつけトップ合格を果たしたのは無名のクラブプロ、ロブ・ラブリッツだった。

「世界一(出場資格を得るのが)難しいといわれるツアーでプレーできるなんて言葉がありません。ここ15年ずっとこの瞬間を夢見てきました。月に飛んでいける気分」と喜びをあらわにし感涙にむせんだラブリッツ。

ラブリッツはニューヨークの「グレンアーバーGC」のクラブプロで、普段はアマチュアにレッスンを行っている。しかしその実力は自他共に認めるところで、これまで8度全米プロに出場し、2回予選を突破している。5月に満50歳になると、6月に全米プロシニアに出場。そこで6位に入り、ファイナルQT出場のチャンスを得た。

「昔から多くのツアープロとラウンドするたびに“君にもチャンスはある。頑張り続けなさい”と励まされてきました。そして私は頑張り続けた。この勝利(トップ合格)は心の強さの証しです」

米シニアツアーには、タイガーを除くかつてのビッグ5(P・ミケルソン、E・エルス、V・シン、R・グーセン)に加え、J・フューリックらメジャーチャンプがひしめいている。

年間王者のB・ランガーは「我々のツアーは今、華やかなルネッサンス期を迎えている」と言い、人気も賞金も右肩上がり。そんなツアーでラブリッツはどの程度通用するのか?

「これがスタート。30歳に生まれ変わったつもりで頑張りたい」(Photo by Darren Carroll/PGA of America via Getty Images)

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より