Myゴルフダイジェスト

【わかったなんて言えません】Vol.60 杉山知靖#2「飛ばしたい気持ちをグッと我慢」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。今週のゲストは先週に引き続き、9月のブリヂストンオープンで初優勝を飾った杉山知靖。今回の話題は“飛距離”について。あと20Y飛ばしたいと話す時松だが、杉山は飛距離についてどう考えているのか。

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名/杉山知靖

神奈川生まれ。ツアー1勝。明徳義塾、中央学院大卒業後、15年プロ入り。レイクウッドコーポレーション所属。“人柄”にも注目!

前回のお話はこちら

時松 杉ちゃんは、おばあちゃんの影響でゴルフを始めたんだよね。

杉山 うん。20年くらい前に、おばあちゃんの練習に一緒について行き、いつの間にかやっていたという感じ。おばあちゃんは100を切るかどうかの趣味のゴルフだったけどね。

時松 10月のブリヂストンオープンで初優勝したとき、おばあちゃんは何て言ってくれた?

杉山 「本当におめでとう」って。母親は「泣きすぎて吐いた」って言っていた(笑)。うちはおばあちゃんも母も共に2代続いて母子家庭で女手一つで子どもを育ててくれたんだ。中学くらいまでは母は僕が朝起きたらもう仕事に行っていて、学校から帰ってきてもまだいないという感じで、子どもながらにこんなに働かせていいのかと思っていたんです。

時松 ジュニアの大会とか大変だったんじゃないの。

杉山 家に車がなかったので、大会には電車で行っていました。横浜に住んでいたから普段の生活で不便は感じなかったけど、ゴルフの場合は車がないと大変で。それで高校は寮生活の明徳義塾を選んだというのはあるかもしれない。試合のときは皆と一緒にバスで移動だし、普段も自転車で寮からアップダウンのある道を20〜30分くらいこいで行っていた。あの毎日がよかったのかもしれない。


時松 初優勝の賞金は全額お母さんに渡しますという杉ちゃんのあのコメントはすばらしかった。親への感謝の気持ちは忘れちゃいけませんよね。

杉山 何言ってるの。源ちゃんこそ、すごく親思いじゃない。

時松 ところで、来年からプロの試合ではドライバーの長さが46インチ以下に規制されるけど、杉ちゃんは46インチを使ったことはある?

杉山 いや、使ったことない。クラブの全体の流れのなかでドライバーだけが長くなると、ドライバーショットが振り遅れ気味になる。器用にできる人はインパクトで合わせられるかもしれないけど、でも普通は振り遅れるとボールはつかまらないから結局は飛ばない。だからやっぱり、スプーンが通常の長さの43インチだったらドライバーは45インチであるべきだというのが理由。源ちゃんは?

時松 一時期47.5インチを打ってみたけど、パーンっていったり全然こなかったりで、飛距離も5Yくらいしか変わらなかった。それで46インチに戻しているけど、今は転がって270Yくらいかな。何とか290Yくらい飛んでほしい。そうすればパー5のホールでセカンドはエッジまで250Yで、2オンを狙って手前のバンカーに入ったとしても寄せワンでバーディが取れるチャンスが出るけど、今の飛距離だと、残りが280Yになって、そこから2オンを狙って50Y手前のバンカーに入ったらもう寄せワンも難しくなるからね。このティーショットの20Yの差は大きい。杉ちゃんはドライバーの飛距離はどうなの。

杉山 飛ばしたくはなるけど、そこはぐっと我慢している。

時松 飛ばせるのに我慢しているということ?

杉山 トラックマンとかでマン振りするとクラブスピードが50㎧をちょっと超えるくらい出て、キャリーが280Y幾つとか出るけど、そうはしない。最近は若い子たちが飛ばすよね。この前も久常(涼)くんと回って「ヤベエなコイツ」と思うくらい飛ぶんだけど、でもそこで飛ばそうとせずに、自分のフィジカルの範囲でブレずに振れる限界の距離を知っておいて、それ以上は無理をしないようにするみたいな感じでやってます。

体への負担を考えて振る

「思い切り振ると体にも負担がかかってくるから、自分の体のバランスやコンディションを崩さない範囲内で最大限に振るようにしています」(杉山)

時松 飛ぶ素質を持っていながら飛ばさないのってカッコいいよね。飛ばないくせにいろいろやるのが一番ダメで、今の僕は、その逆気味のことをやろうとしているのでダメっすね。

杉山 (稲森)佑貴は飛ばそうとしてないよ、あの人は。

時松
 いや、稲森も飛ぶようになっているよ。

杉山 ちょっとね。佑貴は最近、ごりごり系のトレーナーさんとトレーニングしているから。

時松 杉ちゃんはそっちのほうはどうなの。

杉山 (浅地)洋佑の紹介で、仲田健さんという、オリンピックの100mの山縣さんとかを指導するトレーナーさんにお願いしている。ゴルフの動きに特化した体の使い方や鍛え方を教えてくれるし、ケアも選手の体がどの辺にストレスを抱えているのか常に把握していて、僕は左サイドが弱いから、トレーニングのセット数も右を10回上げたら左を15回上げるようにしようとか細かく指示してくれる。今年の夏から見てもらっているけど、いきなり10月の初優勝という結果が出たからね。

時松 すばらしい。

週刊ゴルフダイジェスト12月21日号より