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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.61「足を使うアプローチ」はシニアの枯れた技!

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら


「足を使ったアプローチをしろ」と言ったのは、後藤修先生です。最初何を言っているのか分からなくて、打ったら走れってこと? その足じゃないっちゅうねん。『足を使う』というのは100ヤード以内のアプローチで、直接グリーンにボールを乗せず、手前から転がして打つことを指します。

だいたいピンを狙わないで手前にボールを落とすなんて、セクシーな店でジラされているみたいで、まどろっこしい。そう思っていたら、後藤先生は私の不満顔を察し、自ら語りだしました。

じゃ残り70ヤード、この薄い芝からピンを狙いなさいと。70ヤードだからAWでドスンですね、と打つや、芝が薄いせいでダフリ気味にヘッドが入り、50ヤードくらいしか飛ばず失敗。

なんでもフルショットをすればいいわけではないと教えてくれたのです。それではその足を使ったアプローチを説明しましょう。


難しいライで使う

ラフ、逆目、ベアグラウンド、薄い芝、傾斜地などはフルショットで打つのが難しいです。そういう場所は、スリークオーターショットで打ち、あらかじめボールの転がりを計算して寄せるべしと。

コツはフルショットのクラブから1~2番手上げ、短く持ってわざとグリーン手前に落とすショットを放つ。言うはやさし。今までピンに寄せるショットばかりしていると、案外できないもので、ある程度慣れが必要となります。

平らなライで足を使う練習

だから最初は芝の状態が良いところで、足を使ったショットの練習をします。この時、状態が良い芝で、なぜグリーンを外さなきゃならないか? と思うわけです。実際はなかなかできないです。人間は本能的に穴を狙うようにプログラミングされていますからね。ほんまかいな。

だから逆に言うと、良いライで残り70ヤードを上からドスンと落とさず、わざと足を使って転がしている人は、ものすごくゴルフを分かっています。その人はラウンドしながら、足を使った寄せの練習をしているのです。

なのでそれを見て、こいつピンを狙わないんだと思わないように。

短いアプローチ

ピンまで残り30ヤードでグリーン部分は10ヤード、アプローチはグリーンにドスンと乗せたいですよね。これもケースバイケースですが、花道にボールを落としてから転がしても、結果は大して変わらないです。むしろミスショットが減るかな。

転がすとキックが悪くなることがあるというけど、これはイメージの問題で、むちゃくちゃSWが得意なら任せますが、SWでぴったし寄せるのはかなり至難の業。なるべくSWを使わないで、PWで転がすほうが無難です。

年を取ると手が委縮して、ふんわり系の球が打てなくなるんですよ。特に「しっかり寄せなきゃ」のプレッシャーに弱い。だから乗れば良いという考えで十分です。

ついでにゴルフ通な小技を幾つか挙げてみましょう。

手前のピン位置

これも良くあるパターンです。ピンがグリーン手前に切ってあり、しかもバンカー越えで乗ったらすぐピン。これは相当難しいぞ、と。こういう時にSWを使わず、わざとPWでピン奥を狙うのはありです。どうせ寄せワンなんかできないんです。乗っても2パットと思ったら、きっちりピン手前を狙うより、ピン奥狙いの楽なショットを選べば良いのです。

さらにライを見て、逆目や芝が薄いとかありますよね。そういう時はさらに難しい。グリーンに乗れば御の字ぐらいに考えましょう。たまには難しいライのショットを、練習しておきましょう。

ヘッドアップしないコツ

一度練習場で30ヤードのアプローチをヘッドアップしないで打ってみてください。そんなこといつもやっているさ。いえ、やっていません。ヘッドアップしないというのは打った後、ボールのあった地点を見ることです。だからボールの行方は見ませんよ。

自分もたまに打った先を見ないアプローチ練習をします。それをやるといかに日頃、早くヘッドアップしているかってよく分かります。

実戦で30ヤードを打つ時、余裕がある周りの人に「ボールの行方見ていてもらえませんか」というのもあり。それは自分がヘッドアップしない心の宣言なのです。目指せ、“枯れたゴルフ”ですね。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月23日号より