64歳で年間王者のランガー。38試合フル出場で最後は「ボールを拾えない」ほどの満身創痍
米国シニアツアーの今季最終戦「チャールズ・シュワブカップ選手権」で、64歳のベルンハルト・ランガーがエージシュートを達成。6度目のシニア年間王者に輝いた。
大会3日目に8バーディ、ノーボギーの猛攻で『63』をマークし「人生最高のラウンド。シャンディ(ビール&ジンジャエールのカクテル)でお祝いしたい」。「コースに出れば毎回エージシュート」と豪語する86歳のG・プレーヤーとは訳が違う60代前半でのエージシュートは値千金だ。
だがランガー、64歳の誕生日に『64』をマークしており、エージシュートは今回が2度目。「(キャディを務めた)数字に強い息子と計算したら、2位のフューリックが優勝しても自分が18位以内に入れば、タイトルを獲れることがわかっていた」そうで、3日目、トップに立ったフューリックの動向をにらみながらのプレー。最終的にはフューリックが優勝を逃し、ランガーが17位に入って自身6度目の栄冠に輝いた。
「年間王者を獲るために頑張ってきた。試合に出る回数が多いほどチャンスは広がるから」と、多忙でありながらスケジュール調整はせず、あえて21年シーズンは全38試合にフル参戦。優勝2回、ベスト10入り24回で見事、目標を達成した。
しかしその代償もある。大会初日には筋肉疲労のため背中が痙攣を起こし、カップからボールを拾い上げることができず、「息子に助けてもらった」。ドクターストップ寸前まで自分を追い込むストイックな姿勢の裏には、64歳という年齢もある。ひと回り以上も年下のライバルたちの活躍に、自らのキャリアが終盤に差し掛かったことを実感しているのだ。だからこそなんとしても年間王者のタイトルを獲りたかった。
米国シニアツアー42勝の鉄人は、すでにシニアでただひとり生涯獲得賞金3000万ドル(約33億円)超え。残すミッションはH・アーウィンが持つツアー最多優勝記録『45』超えだ。
週刊ゴルフダイジェスト2021年12月7日号より
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