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“第2の故郷”フェニックスで有終の美を飾ったミケルソン。シニア6戦4勝も年間王者には脱帽

フィル・ミケルソンがアリゾナ州フェニックスで有終の美を飾った。

米シニア最終戦「チャールズ・シュワブカップ選手権」で、ミケルソンが最終日にノーボギーの『65』をマークして逆転優勝。シニア6戦目にして4勝目を、大学時代を過ごし、現在は住まいを持つ“第2の故郷”で達成すると、「エイミー(愛妻)と出会い、ここに住んで地元の人々の前でトロフィを掲げることができ、本当に特別な一週間だった」と感無量の表情を浮かべた。

2日後に結婚25周年を迎えるという妻はNBAフェニックスサンズの元チアリーダー。アリゾナ州立大学在学中に地元開催のPGAツアー「ノーザンテレコム」でアマチュア優勝した当時も2人は愛を育んでおり、やがて結婚。「エイミーのおかげで自分がいる」という愛妻家だ。

フェニックスはまた、3勝を挙げている「ウェイストマネジメントフェニックスオープン」の舞台でもあり、2度目の優勝を飾った13年には、第2ラウンドであわや60切りのスーパープレー。1週間で60万人を動員するなどギャラリーがもっとも多いことで有名な大会で、最終ホールバーディを逃し、『60』に終わったときの観客の落胆ぶりといったら……。同組で回ったR・ファウラーは、そのときの光景を振り返り、「まさにフィルのワンマンショー。ファンの熱狂ぶりは正気の沙汰ではなかった」という。

フェニックスを愛し、フェニックスから愛されたミケルソンが愛妻の見守るなか優勝したのだから、感慨もひとしお。年間王者のチャンスがあったJ・フューリックも、バック9で『31』をマークしたミケルソンのプレーに圧倒され、スコアを伸ばせず5位に終わった。

そして表彰式で彼が口にしたのは64歳で年間王者に輝いたランガーへの賛辞。「才能、努力、すべてがゴールドクラス。自分もあやかってオフは体づくりと練習に励んでまたメジャー獲りに挑みたい」

頼もしいぞミケルソン!

シニア42勝の鉄人・ランガーを超えられるのはこの男だけ?(写真は2021年全米プロ。PHOTO/Blue Sky Photos)

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月7日号より