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プロも絶賛! 最強アマ・中島啓太の強さの秘密に迫る

9月のパナソニックオープンで史上5人目となるアマチュアVを飾った中島啓太。その強さと、人となりについて探った。

PHOTO/Shinji Osawa

次の目標は11月3~6日にドバイで行われるアジアパシフィックアマチュア選手権。優勝すればマスターズ出場権が得られる

中島啓太
●2000年6月24日生まれ、埼玉県加須市出身 ●代々木高卒、日本体育大学在学中 ●177センチ・75キロ ●ゴルフ歴/6歳から。タイガー・ウッズをテレビで見て父・正昭さんに6歳の誕生日にゴルフクラブをねだった ●主な戦歴/18年アジア大会個人・団体2冠、21年日本アマ優勝 ●尊敬する人/巨人の菅野智之投手 ●プレースタイル/ポーカーフェース。キム・キョンテ選手を参考にしている ●日課/体重、体脂肪、筋肉量を毎日測定 ●好きな食べ物/ご褒美は「とんかつ」

【証言1】江原清浩プロ(ゴルフ部監督)
「両腕の三角形が変わらない」

中島啓太の強さの秘密について、日体大ゴルフ部監督の江原清浩プロに話を聞いた。

「ちょうど今年の日本アマのあたりから、前よりもスピン量を抑えた曲がり幅の少ないフェードを打つようになりました。そのほうが飛ぶし、曲がらないからでしょう」

体の動きでボールをとらえることが大前提の中島のスウィング。

「大抵の人はダウンスウィングでヘッドを早めにリリースしたり、右ひじの角度が変わってしまったりしますが、トップの手元と胸で作られた三角形の形が保たれたまま下りてくるからハンドファーストで強くインパクトできるんです」

練習に裏打ちされた多彩なアプローチが武器

ロングショットだけでなく、多彩な小技も中島の武器。「ボールの赤道のほんのちょっと下を、スコアライン1本目で拾う練習をいつもしています」(江原)

【証言2】土屋健プロ
「周囲に慕われ家族仲がとてもいい」

中島が高校3年生のときに出会い、プライベートでも親交があるという土屋健プロ。試合ではポーカーフェースの中島だが、仲のいい人たちと過ごすときは無邪気な笑顔を見せる一面があるという。

「ビーチバレーを一緒にしたときには僕がトスを上げて啓太がアタックするというフォーメーションでしたが、アタックが決まるたび、チームメイトとハイタッチしたりと楽しそうにしてました。身体能力は相当なものです」

そして何より、仲のいい家族が中島を支えている。

「両親への感謝を忘れず、姉弟がとても仲がよく、お姉さんの子どもをとても可愛がってる印象がありますね。癒しのようです。お姉さんに優勝直後に報告の連絡をしたところ、スピーチ、泣きすぎだよっていじられちゃったって言っていましたね」

「18 年のアジア競技大会で金メダルを獲ってからはずっと悔し涙だったので、それがうれし涙に変わってよかったです」(中島)

ほかにも賞賛の声多数!

石川遼
「ずっと前からプロでも十分通用すると思っていた」

星野陸也
「自分が決めたことを貫こうとするメンタルの強さを感じた」

金谷拓実
「パナソニックオープンの優勝も、きっと彼には通過点」

ガレス・ジョーンズ(JGAナショナルチームヘッドコーチ)
「彼の将来に心から興奮しており、彼の旅を支援し続けることが楽しみ」

月刊ゴルフダイジェスト2021年12月号より

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