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プロも絶賛! 最強アマ・中島啓太の強さの秘密に迫る

9月のパナソニックオープンで史上5人目となるアマチュアVを飾った中島啓太。その強さと、人となりについて探った。

PHOTO/Shinji Osawa

次の目標は11月3~6日にドバイで行われるアジアパシフィックアマチュア選手権。優勝すればマスターズ出場権が得られる

中島啓太
●2000年6月24日生まれ、埼玉県加須市出身 ●代々木高卒、日本体育大学在学中 ●177センチ・75キロ ●ゴルフ歴/6歳から。タイガー・ウッズをテレビで見て父・正昭さんに6歳の誕生日にゴルフクラブをねだった ●主な戦歴/18年アジア大会個人・団体2冠、21年日本アマ優勝 ●尊敬する人/巨人の菅野智之投手 ●プレースタイル/ポーカーフェース。キム・キョンテ選手を参考にしている ●日課/体重、体脂肪、筋肉量を毎日測定 ●好きな食べ物/ご褒美は「とんかつ」

【証言1】江原清浩プロ(ゴルフ部監督)
「両腕の三角形が変わらない」

中島啓太の強さの秘密について、日体大ゴルフ部監督の江原清浩プロに話を聞いた。

「ちょうど今年の日本アマのあたりから、前よりもスピン量を抑えた曲がり幅の少ないフェードを打つようになりました。そのほうが飛ぶし、曲がらないからでしょう」

体の動きでボールをとらえることが大前提の中島のスウィング。

「大抵の人はダウンスウィングでヘッドを早めにリリースしたり、右ひじの角度が変わってしまったりしますが、トップの手元と胸で作られた三角形の形が保たれたまま下りてくるからハンドファーストで強くインパクトできるんです」

練習に裏打ちされた多彩なアプローチが武器

ロングショットだけでなく、多彩な小技も中島の武器。「ボールの赤道のほんのちょっと下を、スコアライン1本目で拾う練習をいつもしています」(江原)

【証言2】土屋健プロ
「周囲に慕われ家族仲がとてもいい」

中島が高校3年生のときに出会い、プライベートでも親交があるという土屋健プロ。試合ではポーカーフェースの中島だが、仲のいい人たちと過ごすときは無邪気な笑顔を見せる一面があるという。

「ビーチバレーを一緒にしたときには僕がトスを上げて啓太がアタックするというフォーメーションでしたが、アタックが決まるたび、チームメイトとハイタッチしたりと楽しそうにしてました。身体能力は相当なものです」

そして何より、仲のいい家族が中島を支えている。

「両親への感謝を忘れず、姉弟がとても仲がよく、お姉さんの子どもをとても可愛がってる印象がありますね。癒しのようです。お姉さんに優勝直後に報告の連絡をしたところ、スピーチ、泣きすぎだよっていじられちゃったって言っていましたね」

「18 年のアジア競技大会で金メダルを獲ってからはずっと悔し涙だったので、それがうれし涙に変わってよかったです」(中島)

ほかにも賞賛の声多数!

石川遼
「ずっと前からプロでも十分通用すると思っていた」

星野陸也
「自分が決めたことを貫こうとするメンタルの強さを感じた」

金谷拓実
「パナソニックオープンの優勝も、きっと彼には通過点」

ガレス・ジョーンズ(JGAナショナルチームヘッドコーチ)
「彼の将来に心から興奮しており、彼の旅を支援し続けることが楽しみ」

月刊ゴルフダイジェスト2021年12月号より

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  • 昨年11月に世界アマチュアランキング1位となった日本体育大学3年の中島啓太。先日のプロツアー、パナソニックオープンで、男子ツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たした。世界トップアマの強さの秘密に迫った。 PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara 「全米アマのコースは今までで一番難しかった」 7月の日本アマでは念願の初優勝を飾った中島。今まで2位4回で、近所のおじさんに“2位の男”と言われていたという。「今年優勝して地元に戻ってもそんなに驚かれなくて。やっとだよね、という感じで迎えてくれました」 雨で中止となった18年も含めると2位4回だった。今年は最終日が雨で中止になったものの、「ゴルフ人生においてとらないといけないタイトル」をゲット しかし、8月にオークモントCCで開催された全米アマ。ここで一度、心が折れそうになった。「今まで回ったコースで一番難しかったですね。それまで一番だと思っていたロイヤル・メルボルンより、フェアウェイにアンジュレーションがあり、ボールが転がる。グリーンも硬くて、さらに風もプラスされた感じで。でも、自覚が足りなかった。初出場でしたが、本当にレベルが高い試合に出るという自覚と、世界ランク1位として出ることに対しての自覚です。現地では、様々なメーカーの方に声をかけていただいたり、ペアリングもランク1、2、3が一緒で注目組でしたが……」結果は無念の予選落ちだったが、そこでしっかり自分を見つめられるところも中島の強さだ。「初日80を叩いてしまい、そこで切り替えられないと本当にズルズルいきそうだったので、きちんと次にやるべきことに向き合って考えてはいけました。以前は、体が強くて大きくてパワーゲームをする選手が多いイメージでしたが、きちんと皆マネジメントして小技で勝負する選手もいますし、少し変わってきているのかなと」変わったのは中島のほうかもしれない。心技体が確実に成長しているからだ。「帰国後の隔離は長くて大変でしたが、トレーニングや練習ができて、自分自身を考え直す時間もあった。すごくいい2週間でした。『ゴルフデータ革命』という分厚い本を勉強もしました。ショートゲームの練習やトップ選手の考えていることはすべてデータに基づくべきなんです」その後、5日間、毎日2ラウンドする大学のリーグ戦に出場。そうしてパナソニックオープンを迎える。この試合ではリーグ戦から続く14すべてのホールでドライバーを使うマネジメントを試した。 続きを読む ドライバーを振り続けたパナソニックOP 「(ナショナルチームヘッドコーチのガレス・)ジョーンズさんと話をして徹底しました。優勝など結果目標はまったくなかった。14回毎日ドライバーを振り切るというだけ。あとはコースにアップダウンがあったので、痩せないよう、試合中でも筋力を高めるため毎日トレーニングすると決めてやった。調子は悪かったんです……」以前中島は、「調子が悪くてもターゲットにだいたい飛ばせることは強み」だと言っていた。「調子とスコアは比例しない」が座右の銘でもある。そうして、プレーオフの末、アマチュア優勝を果たした。優勝後、嬉し涙を流した中島。「結構涙もろい。負けても勝ってもいつも泣いています。泣いたのは東建以来です」と笑う。春の東建は金谷拓実に競り負けての悔し涙だった。その金谷がプロ転向したときは寂しくて泣いた。クールに見えてじつは感情豊かなのだ。 4日間、体全体を使って打ち、決めたスウィングで迷わず振り抜いた。「自分の優勝で泣いてくれた方がたくさんいたので嬉しかった」と本人も涙 「でも優勝は自信になりました。最終日のバックナインは、優勝争いの臨場感のなかでドライバーを打ついい機会にもなった。今後そういう場面がきた時の自信となる。ドライバーで打つと課題である50~60Yの練習にもなりました。朝トレをしたので筋肉痛で左にいくミスが多かったんですが、終盤の15、16番でフェアウェイに打てたのは成長したところ。パットも勝負どころでしっかり打てた。プレーオフでもショートしなかったのは成長と感じた部分です」中島は、結果に焦らない。すべては、もっと強くなるため。「もっと先の目標」があるからだ。 結果にこだわるより結果につながる準備を 中島のゴルフは、JGAのナショナルチームで磨かれている。尊敬する先輩、金谷拓実とは今も時々連絡を取り合う。「全米アマ後、言ってもらったんです。金谷さんもオーストラリアオープンで80以上叩き、僕と同じ思いをしたと。そしてジョーンズコーチと出会い、自分と向き合うことやデータに基づいて練習をすることをしっかり行ったと。だから、僕もそれらを改めてきちんとやってみようと思ったんです」優勝後、金谷はすぐに電話をくれたという。「3日目が終わった時点で優勝すると思った、そんなに驚かなかった。またお互い頑張りましょうみたいに言われました」歳は2つ違うが、同じチームで合宿や海外遠征などで同じ時間をすごし、よき相談相手、ライバルとなった。金谷は中島について「きれいなゴルフをする」と言う。多くの人が中島のスウィングを美しいと評する。「自分では、苦手をつくらないというか見せないという感じなんです」という中島は、得意クラブも「ない」し、苦手クラブも「ない」と答える。 15年日本アマ東海クラシック”練ラン”試合で戦い、共に練習し高めあってきた2人。アマ時代「世界一の景色」を聞いたとき「達成できたら次の目標がくるから何も変わることはない」と答えた金谷。「それは僕も感じました」 データに基づいて練習することが大事です 中島の現在のコーチといえば、ナショナルチームのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏だ。「ジョーンズさんは、技術だけではなく、アスリートとしての気持ちの持ち方なども指導された。ヘッドコーチでありながらチームメイトです」「ゴルフでは事前の“準備”が一番大切」というジョーンズ氏。試合のラウンドの出来は、コースの下調べに基づいたゲームプランをいかに忠実に実行できるかにかかっているという。昨年末、中島に話を聞いたとき「大事なのは準備、準備、準備です」と繰り返していた。ジョーンズ氏の教えが徹底しており、信頼関係がうかがえる。試合の準備だけでなく、トレーニングも、栄養・自己管理もすべてが“準備”。コロナ禍となった昨年も、いつ試合があってもいいように準備していたという。これもジョーンズ氏の教えだ。スウィングづくりにおいて、「細かいことは自分でやりたい。球筋からスウィングをつくるタイプなので、こういう球が出たらこうすれば直るというのがわかっています。動画を毎回、正面と後方を撮ってチェックします」という中島。そして今は、リモートでもミーティングができる時代。週1度くらいはジョーンズ氏と連絡をとり、スウィングや課題の確認をする。「携帯をつないで動画を見せたりして、Zoomでレッスンするような感じです。最近は、腰に負担がかかるスウィングになっているので、それを改善していくようチェックしました」 持ち球はフェード。300Y級の飛距離と切れのあるアイアンショットも持ち味。他人のスウィングはあまり参考にしない。「僕の型にはまっていきたい」 結果にこだわるよりは、結果を出すための準備が大切。だから、練習は質よく。ショートゲーム中心に、「ディーププラクティス」=深い練習もテーマだ。「集中して短時間でグッとやるのは自分にすごく合うんです。試合期間中は100球も打ちませんが、会場にいって、他の選手が練習をしているのに僕が先に上がるのがすごく嫌で、やりすぎちゃうこともある。そこは頑張って自分のことに集中したい。でも、パットなんかは誰よりも残ってやっていたいんですよ」学ぶことが好きな中島。大学でも栄養学や心理学などを学べる環境にあることが嬉しかった。「大学は去年で全部終わりましたが、JGAの合宿でも授業5回分くらいの内容の濃い講習があります。それにもし、メンタル面で困ったことがあっても、大学の監督やJGAの皆さんが助けてくれます」周りの意見を大事にできることも中島の強さかもしれない。 データは「客観的な事実」だというジョーンズ氏。準備のため練習ラウンドではコースやグリーンのデータも徹底チェックする 「準備、自分と向き合う自信と自覚を持つ」 中島はクールでカッコよく見える。そういう意見があると伝えると少し照れながら「嬉しいです」。高校の頃から表情を出さないように意識しているのだという。“鬼”と言われ賞金王を2回とったキム・キョンテに憧れてもいた。「あのサングラスをして、何を考えているかわからない。ポーカーフェースで強い。一緒に回っている人は怖いというか、相手のほうが意識するから、アドバンテージがあるかなと思ったんです」冷静に話しながら、さりげなく面白いことを入れようとする素の中島は、姉が2人いるからか“末っ子キャラ”でもある。「僕は本当に自由でした。ゴルフをしたいときは思い切りやって、したくないときはしなかった。ただ、楽しくやるだけ。スコアで怒られたことは一切ないです。でも、うちの家族、優勝した時は、冷めてましたねえ(笑)」今後、取り組む課題はいろいろある。50~60Yの精度、パッティング……。「何より今は、準備はもちろん、自分と向き合うこと、自信を持つ、自覚を持つ、この4つがテーマです」と言う中島。 50~60Yを磨くスライスラインを克服するウェッジは音をしっかり感じながら打つ。トレーニングで握力が上がり微妙な距離を強く打ってしまいがち。でも技術を磨けば調整できると考える/スライスラインを外側に外しているときは状態が悪くない。「元々スライスラインが苦手。克服できたらパッティングは変わると思います」 そして、体づくりは綿密に。ここぞという試合で、ケガや病気になった苦い経験があるからこそ人一倍勉強して気をつける。携帯電話に体重・体脂肪率・体組成などを日々記録もしている。「ケガで試合に出られないということが多いので、そこは課題です。でも、その出られないことで学べることや成長できることもあるので、しっかりやっていきます」以前は感覚派を自認していたが、データを取り入れるからこそ、成長はあると考えている。「7㎏ほど増えて体脂肪率は減り筋量は増えました。大学入学前は、下半身しか強化していなかった。今は上半身もトレーニングする。確かにこれで小技のイメージに繊細さがなくなった。左は20だった握力が両方50になり、ラフからも負けないように打てるようにはなったけど……でも、これでも大丈夫なように頑張ります」変化を恐れると成長はない。「トレーニング文化が日体大ゴルフ部にも根づいてきていますし、パナソニックオープンで僕のキャディをしたのは1年生ですが、トレーニングについてはもちろん、プレー中のマネジメントも話しながらやるので、どんどん知識が広がってくれたらなと思います」さりげなくリーダーシップをとれるのも中島の魅力だ。「僕は下を見ている余裕はないので、自分がしっかりやるべきことをやって、それを目標としてくれる選手がいたら嬉しいです。僕は基本的に上を見ながらやって、横にナショナルチームと大学のチームを気にしながら、下は自然についてきてくれる、それが理想です」 「先輩方を受け継いで、アジアアマで優勝してマスターズに出たい」 目下の目標、アジアパシフィックアマチュア選手権(ドバイ、クリーク・ゴルフ&ヨットC)は、11月3日から始まる。「コースは初めて。でも、他の選手もあまり行ったことがない国だと思うので皆フラットな状態。試合前と試合期間中に、いかにいい準備をできたかが勝負を分けるという感じだと思います」すぐにプロ転向するつもりはまったくない。中島には、世界でもっとも活躍したアマチュアに送られる「マーク・マコーマックメダル」の権利で、来年の全米オープンと全英オープンの出場権もあるのだ。「楽しみです。それに、大学の名前をお借りしているので来年の11月の大学の試合まではアマチュアでいたい。でも本当に、目先の試合に集中すること。世界一になっても優勝しても実感もないですが、次の目標がくるので、自覚はきちんと持たなければ。ランク1位やツアー優勝をしたことの自覚です。それを自信にして次の試合に行きたい。でも、マスターズが叶ったら来年はすごい大きな1年になると思う。憧れですから」オーガスタで感動して泣く中島啓太の姿を見てみたい。 冷静かつ自分と向き合う中島だが、ふとしたときのお茶目な面も……「アジアアマは松山さんも金谷さんも優勝されてますし、ゴルフ人生においてすごくいい経験になると思うので、優勝してマスターズに出ることをしっかり受け継いでいきたいです」 週刊ゴルフダイジェスト2021年11月16日号より こちらもチェック!
  • ウッド類1万2000本、アイアン1000セット以上という膨大な在庫を誇るレンタルクラブサービス「クラブステーション」。果たしてどんなシステムなのか。「試打クラブ」と「ラウンドセット」の2種類あるレンタルサービスのうち、「試打クラブ」を体験レポート! クラブは高い買い物。買って後悔はしたくない。ショップや練習場で試打をして購入を決める人も多いと思うが、インドアでの計測や練習場での数球の試打だけでは分からないことも多い。練習場でじっくり打って、さらにコースでどんな球が出るか。そこまで確かめたうえでクラブを決めたいところ。そんな道具にこだわるゴルファーにピッタリなのが「クラブステーション」。あらゆるメーカーのクラブを揃える日本最大のレンタルクラブサービスだ。存在は知っていたものの、利用したことがなかったので、どんなサービスなのか、使ってみた。 クラブが多すぎて目移り!王道モデルをチョイス 今回利用したのは、「試打レンタル」。文字通り、クラブを借りて、期間内は自由に試打できるサービスだ。一度に借りられるクラブは3本までで、1本だと4180円、2本で4840円、3本借りると5500円(往復送料込み)。アイアンセットの場合は1セット5500円。通常は3泊4日だが、Myゴルフダイジェスト有料会員は7泊8日まで借りられる。練習場とコースでじっくり試せそうだ。クラブだけでなく、シャフト単体でも借りられるようなので、今回はドライバー1本とシャフト2本を借りることに。 主要メーカーはほぼすべてラインナップされている クラブステーションHPの「試打クラブ」ボタンから、「試打クラブを探す」へ進んでいくと、クラブの検索画面が現れる。試打クラブの検索は会員登録していなくても利用できるので、どんなクラブが借りられるのか一度覗いてみるといいだろう。 こちらが検索画面。クラブの種類、メーカー、ブランドの順で選び、さらに硬さやロフトなどの詳細条件を選んで検索できる 今回は、まだ打ったことがなかったテーラーメイドの「SIM2 MAX」を試してみることに。ちなみに最新モデルは発売日前から借りられるものが多い。 同じ「SIM2 MAX」でも、ロフトやシャフトの種類によって細かく取り揃えている。背景がグレーのクラブは、すでに借りられていることを示している ラウンド予定に合わせて期間を設定し、検索すると、運よく希望のスペックが空いていた。「スピーダーエボリューション7 661」が付いたクラブを選択し、別で「ツアーAD HD-6」と「ディアマナTB60」のシャフトも借りることに。スリーブも、もちろんヘッドに合わせて選択できる。 シャフトのランナップもかなり充実している 届いたクラブは、専用の青いケースに梱包されていた。中には1本のドライバーと2本のスリーブ付きシャフト、それにトルクレンチが入っている。返却するときはどうすれば? と思ったら、中に返送用の宅急便伝票も同梱されていた。これを貼り付けて返送するだけなのでカンタンだ(郵送料金もレンタル料に含まれているので払う必要はない)。 届いたクラブはこんな感じ。シャフト交換用のトルクレンチも同梱されている 練習場ではツアーADしかしコースでは……? さっそく練習場で試打。人気のモデルだけあって、ヘッド性能は申し分ない。現在使用しているヘッドよりも、スピン量が少なく、いつもなら吹き上がって弱いスライスになりそうな当たりのときでも、比較的強いフェードで飛んでいく。続いてシャフトを付け替えてみる。普段じっくり打ち比べたことがなかったが、こうして同じ条件で比較しながら打ってみると、性格の違いがよく分かる。スピーダーはやはりつかまりがよく、出球から左になることも。一方ディアマナは球がつかまりきらず、右にすっぽ抜けることも。ツアーAD HDが最もタイミングが合いやすく、方向性が安定していた。 練習場でカチャカチャしながら打ち比べるのも楽しい そして満を持してコースへ。スタート前の練習場でも、やはりツアーADが一番いい球が出たので、意気揚々とスタートティーへ。最初の数ホールは、フェアウェイをとらえいい感じ。風に負けない強い球で、距離もいつもより出ている。ところが後半に入ると、右に押し出すことが多くなってきた。そこでスピーダーに差し替えると、つかまったいいドローが出た。打ち出しも高く、いわゆる高弾道・低スピンの飛ぶ球筋に。コースでは練習場よりも振ってしまうぶん、中~手元調子のシャフトだと振り遅れ気味になるのだろうか。先調子系のほうがしっかりとヘッドが戻ってくれてタイミングが合いやすかった。 「黄金スペック」探しの旅はつづく… 結果、「SIM2 MAX」のヘッドに「スピーダー」のシャフトが自分にはピッタリ合いそうな気がしたが、ちょっと後半、振りが重く感じたのが気になるところ。せっかくなら、今度はちょっと軽いシャフトでも試してみたい。50g台のSとXを借りてみようか。いや、その前に通常の「SIM2」、いや、キャロウェイの「EPIC MAX LS」ヘッドも試さなくては……。というわけで、悩みがいっそう深まった気もするが、練習場とコースでシャフトを打ち比べられたのは、まるでプロにでもなった気分で、なかなか得がたい経験だった。自分に合った究極の1本を追求したい方は、ぜひ一度試してみてほしい。 「クラブステーション」を体験してみる Myゴルフダイジェスト有料会員は「クラブステーション」がお得に! MyGD会員限定のスペシャル特典をチェック
  • パナソニックオープンでアマチュア優勝を達成した中島啓太の評価が急上昇中だ。 これまでも“上手さ”に定評のあった中島だったが、日本アマチュア選手権を制し、世界アマチュアランキングで1位になるなど、特にここ1〜2年ですごみが増した印象がある。そこで中島の強さのルーツはどこにあるのかを、よく知る人物に聞いた。小学校3年生の頃から中島を指導してきた吉岡徹治氏だ。「これまで多くの選手を見てきましたが、とにかくゴルフが大好きだということに尽きると思います。そんなの当たり前と思われるかもしれませんが、指導者という立場から言えば、実はこれが一番難しい。特に子どもたちはゴルフ以外の楽しいことに興味を持つのが当たり前なので、まずは“ゴルフが一番好き!”という気持ちを持ってもらえるよう育てることを心がています」しかし中島にその必要はなかったそう。「たとえば目土やプレーファストといった、マナー面もそうですが、ゴルフとの向き合い方が他の子どもたちとまったく違いました。さらに“強さ”という点でも抜きん出ていました。特に自分を客観的に見ることにすぐれていて、試合でも自分の心をどこか別の場所に置いてプレーできることで、メンタルに左右されない強みを持っていましたね」と吉岡氏。これはすぐに身につけられるものではなく、努力のたまものだという。「日記をつけたり、メンタルの話を聞きにきたり、自分のゴルフにプラスとなることは、積極的に取り入れようとしていましたね。“すべてゴルフのため”という姿勢が、彼の強さの根にあるのだと思います」(吉岡氏)では技術面に関してはどうなのだろう。数々のツアープロを指導する黒宮幹仁コーチは、「もし私がスウィングコーチに就いても、手を付ける部分がないほど完成度が高いです」心・技・体を備えた21歳。今後が楽しみだ。 史上5人目のアマ優勝を果たした中島。思わず涙があふれ出た(PHOTO/Shinji Osawa) 週刊ゴルフダイジェスト2021年10月19日号より こちらもチェック!
  • PHOTO/Tsukasa Kobayashi 女子の黄金・プラチナ世代が話題だが、男子にも有望な若手はいる。ジュニア時代から活躍、常に世界を見据えてきた、日本アマチュアランク1位の金谷拓実選手と同2位の中島啓太選手に話を聞いた。 金谷拓実(左)1998年広島県生まれ。広島国際学院高2年で日本アマ優勝。昨年アジアアマで優勝し、今年のマスターズ、全英に出場。世界アマチュアランク1位(2019年10月時点)中島啓太(右)2000年埼玉県生まれ。代々木高校3年で日本アマ初出場。2018年は豪州アマ優勝に続き、アジア大会で個人・団体とも優勝。世界アマチュアランク15位(2019年10月時点) 「少ないチャンスをものにしないと上にはいけない」(金谷) ──先日終わったアジアアマチュア選手権。金谷選手は惜しくも連覇を逃し、中島選手は18位でした。 金谷 アジアアマは、プレーオフで負けて残念でしたが、やるべきことはやったつもりです。 中島 結果は悔しいですが、僕は夏に盲腸で入院、全米アマにも出場できなくなって……今回は、まずは出場できてよかった。でも、金谷さんのプレーオフには感動しました。18番グリーンの脇で見ていて、プレーオフ1ホール目、5mのバーディパットが入ったのには鳥肌が立ちました。 金谷 それが最近感動したこと?(笑) 僕は日本が勝ったラグビーに感動したけれど。サモアが諦めずに最後、スクラムを組んで。男らしかった。僕たちスポーツはよく観るよね。 中島 とくにプロ野球ですね。昔からジャイアンツファンです。 金谷 最悪ですね(笑)。 中島 今年は、広島は全然相手になりませんでした。丸選手がいなくなったので。 金谷 去年まではこちらがボロクソに言ってたんですけど(笑)。 中島 でも、菅野(智之)選手の密着取材を動画で見て、ストイックさや、「集中力をコントロールしてやっている」という言葉は自分のゴルフにも参考になります。 金谷 僕もよくアスリートなどの本を読みますが、最近読み返した本に、毎年プロ野球のドラフトで優秀な選手が入るのに、なぜ一流になれる選手と一軍にも立てず戦力外になる選手がいるのかが書いてあるものがあって。「絶対、みんなにチャンスは来るけど、それまでにしっかり準備して、その 1回を仕留めないと、もう上がっていけない世界だ」と。自分もそうだなと思いました。 中島 面白いですよね。 2015年の日本アマ決勝でマッチプレーで戦ったのが出会い。中島が中3で金谷が高2だった。結果は金谷が10&9で史上最年少優勝を果たした 金谷 今年の全英女子の渋野(日向子)選手もです。僕は同期で、高校時代は中国ジュニアなどの予選の結果の前にいつも立って後続の結果を見ながら「ああよかった」って友だちと抱き合っているイメージ(笑)。プロになるのかな? くらいで。そうしたらこんなことに! サロンパスに勝った時からすごいと思ってました。 中島 チャンスをつかんだんですね。 金谷 全英女子では全部が自分に向いている感じで、最高に楽しそうにゴルフをしていて。イギリスはゴルフの国だからギャラリーの雰囲気もよかったですし。 中島 たしかに、夏に全英アマに出ましたけど、最終組に3000人くらいギャラリーが付いていま した。ロープもなくて、グリーン周りもギャラリーが囲んでいたり、すごくいい感じでした。 金谷 全米アマもけっこうギャラリーの方はいましたね。豪州アマもいいよね。 中島 レベルも高い。豪州オープンなんかも最高です。子どもが遊びに来ていたり。 金谷 全英オープンもそんな感じ。海外はのびのびできます。 「試合に臨むうえでの準備の大切さ学んだ」(中島) ──2人は、(JGAの)ナショナルチームで学んだことが大きいと言いますが、それは何ですか。 金谷 ヘッドコーチがガレス・ジョーンズさんになって、最初は、こんな考えがあるのかと。それまでの教えや自分の考えと違ったので信用できなかった。メンバーにも教えに溶け込めなった人が多かった。でも1年くらいして、高校卒業時に受けたQTが上手くいかなかったり、何よりジョーンズコーチの教えを全部受け入れた畑岡奈紗選手が結果を出して活躍していました。だから僕も、とりあえず何でもやってみようと思いました。 中島 僕も最初は全然でした。 金谷 練習も、前はアイアンやドライバーを2、3時間打つことが当たり前だと思っていた。でも、宮崎の合宿でジョーンズコーチが、65%はショートゲームで35%がロングゲーム、100球打った ら十分。それ以上必要ないと。 中島 そうです。でも、それを取り入れてから結果がよくなった。僕が豪州アマで優勝した頃です。 金谷 「ショット・トウ・ホール」というスコアを管理するアプリがあり、1ラウンドで何Yを何回打つかが20Y刻みで出ます。練習ラウンドでデータをとっておけば、そのコースで使わない番手がわかる。160Yや180Yが3、4回あるのに、9番アイアンで130~140Yを打つ練習をしても効率が悪い。 中島 水平器を使って事前にグリーンの傾斜を測ることもすごくいい。この準備がしっくりくるんです。試合に臨むための準備を学んだのが大きいですよね。 金谷 ジョーンズコーチは感覚をすごく嫌います。エイムポイントなど決まりごとがあり、システムになっていて、自分のなかにきちんと落とし込めればズレがない。もちろん感覚も大事だけど、感覚の裏付けができたのかもしれません。 中島 面白いですよね。僕も全部自分の感覚でやってきたから。アプローチもパットも。でもその感覚はきちんと残ります。あとは、スウィングの動作解析とか、トレーナーさんとかもいて。それを元に自分で練習する。だから、今の僕のコーチはジョーンズさんかな。 金谷 僕もですね。 「オーガスタ1番のティーイングエリアに立った時、今までに感じたことのない緊張で。練習ラウンドから興奮しっぱなしだった」(金谷) 昨年の日本オープンでアダム・スコットとラウンドした中島。「好きな選手。マスターズでは彼が優勝した場面が一番印象に残っている」(中島) ──大学生活について聞かせてください。 中島 日体大は、とくにトレーニ ングの環境がすごくいい。一緒にトレーニングしてる人にアーチェリーの世界大会に行く人や、ラグビーの人、いろんな競技の人がいるからモチベーションになります。授業はスポーツ心理学、哲学、栄養学など。勉強になります。 金谷 僕も、高校卒業してプロになっていたら、何も知らずにきたと思います。大学は、人とのつながりができますし、勉強になることが多いです。1年の時はキャディのバイトも行きましたが、おじさんたちが打って、しぐさを見ていると面白い。たとえば、ショートパットを外す時など、打つ前に雰囲気が明らかに違う。打つ前から絶対に勝負って決まってるんだって(笑)。 中島 人間観察ですね。 「何かひとつでもズバ抜けている選手になる」(金谷) ──海外で戦う上で大事だと感じていることは。 金谷 その土地で求められるゴルフをきちんとやった人が上にいくということを感じています。だから、そのコースを知っているか、知ろうとするかが大事。たとえばアメリカは、やはり距離が必要というか、そこは求められる。 中島 はい。爆発力もです。欧州は難しいコースが多いので、いろんなテクニックが必要です。 金谷 欧州は状況やコースレイアウトが多種多様で、要求されることが多い。でも、そういうのに揉まれて、自分の選択肢が増えていけば、たとえ飛距離がなくても違う部分で勝負できる武器が増えてアメリカで戦えるのかなと思います。 「金谷さんはそんなに感情は出さないけど、内側にある気持ちがすごいと思います」(中島) 「僕は一生懸命泥臭くやってるんですけど……啓太はゴルフが全部綺麗なんです」(金谷) ──今後の目標を教えてください。 中島 金谷さん、あの9マスのやつ、やってるんですよね? 金谷 大谷翔平選手の「目標達成シート」。壁に貼っているので寝て起きたらパッと目に入っていいです。真ん中の目標は変えてなくて「マスターズのローアマ」。今年達成できなかったから。 中島 僕、実は先週目標を書いて貼ったばかりです。今、世界アマランク15位まできて、上位を狙うチャンスはあると思うので、真ん中には「世界アマランク1位」。このシートどおり毎日ちゃんと生活するようにします。 金谷 傾向と課題も見えます。 中島 僕は今までは綺麗にゴルフしよう、自分が納得すればいいと思っていたんですが、結果を出すことも大事だと思うようになった。数字や結果にこだわりたい。これが課題です。そのためには120Y以内を練習しないといけないし、300Yをフェアウェイに打てるようにしていきたい。 金谷 僕の課題は、ほかの人が辿りつけない武器を作ることです。 中島 すごいですね。 金谷 一芸に秀でる、じゃないですが、どれも安定した選手より何かひとつズバ抜けている選手がプロの世界では生き残る。僕ならパットとか……。こだわりを持っている人って、どの業界でも強いです。 「世界中どこにいっても応援される選手になりたい」(中島) 中島 金谷さん、世界一になって、何か変わりましたか? 金谷 ぜんぜん、変わらない(笑)。だって世界アマランクで1位になってもそれが最終目標じゃないし、もちろん今年の目標ではあったのでよく頑張ったなというくらいで、目標達成すればまた違う目標がきて、それを達成していけるかどうかが大事です。 中島 かなわないです。 金谷 僕は啓太みたいに綺麗にゴルフができない。うらやましい。綺麗な人って、弱点が見えない。本人にはそれが弱点なのかもしれないけど。でも、啓太は、ゴルフも部屋も整理整頓されて綺麗だけど、心も綺麗なんです。 中島 そこ、褒めなくていいです(笑)。 金谷 いや、去年のアジアアマでも(2位で)絶対に悔しいはずなのに、変わらず僕を祝福してくれて。もっとガツガツしてる選手もいるけど、そういうのはない。 中島 もちろん、すごく悔しかったですよ。でも、チームメイトだし、金谷さんもいつも一緒に頑張ろうと言ってくれますし。 金谷 性格が悪くないとプロでは生き残れないと言う人もいますけど、それはないと最近思うんです。 中島 僕、少しガツガツしたほうがいいかも(笑)。でも、何より石川遼選手みたいに、世界中どこに行っても応援されながらプレーできる選手になるのが夢です。 金谷 僕は、とりあえず海外にどんどん出ていって、常に挑戦を続けていく選手になりたいです。 週刊GD2019年11月5日号より