Myゴルフダイジェスト

【PGAツアーエキスプレス】Vol.5 タイガーの初優勝「彼の優勝はツアーにとってとても素晴らしいことだ」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第5回は、1996年、タイガー・ウッズの初優勝を振り返る。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアーのアジア担当ディレクター)

先日開催されたシュライナーズチルドレンズオープンは、タイガー・ウッズが初優勝を飾った試合として記憶している人も多いだろう。当時はラスベガス招待という名で行われていた大会で、弱冠20歳、プロ転向5戦目のタイガーが見事優勝を果たした。今から25年前、タイガーの初優勝を振り返ってみる。

タイトルの言葉はプレーオフで敗れた、デービス・ラブⅢが記者会見で発したもの。タイガーがこれほどまでの選手になると確信していたかはわからないが、25年経った今、これを聞くと実に感慨深くなる。

当時、ゴルフ界の新星登場に多くの人は歓迎ムードだったが、批判する人も少なからずいた。

「なんでもタイガー、タイガー、タイガーで嫌になる」とか、「ほかにも選手がいることを忘れているみたいだ」などなど。全米アマで3連覇を達成し、さらに大学を中退してプロ入りをしたタイガーは、彼を好ましく思わない人たちにとっては恰好の餌食だったのだ。しかし、タイガー自身はそんな批判はどこ吹く風、コメントでも軽快にかわしていた。その姿もまた、批判に拍車がかかる原因になっていたのだが……。しかし、タイガーはそんな雑音を、自らの実力(優勝という形)で消してみせた。

試合を振り返ってみたい。この試合は3つのコースを使い5ラウンド行われていた。初日は首位と8打差。3日目を終えた時点でもタイガーの上には7人もの選手がいた。しかし、4日目終了時、トップとの差は4打につまっていた。そして最終日、後におなじみとなる“タイガーチャージ”がさく裂する。1番でバーディを奪い3番ではイーグル、その勢いは止まることなく9、11、13、14番とバーディでトップに並ぶと、16番でもバーディを奪い、トップでホールアウト。クラブハウスリーダーとなった。追うのは、当時全盛期だったデービス・ラブⅢだったが、タイガーの勢いについていくことができなかった。

最終日は早々にバーディを奪い、幸先のいいスタートを切ると、そこからラッシュ。一気にトップに追いつき、プレーオフの末、初優勝を飾った

タイガーは今までで「82」もの勝利を飾っており、すべてのトロフィは把握できていないというが、このときの29万7000ドルの小切手の巨大パネルは今もオフィスの壁に飾られている。タイガーにとって、もっとも大事な勝利のひとつであることを物語っている。

それ以降、タイガーはずっと主役だったし、今でもそうだ。当時を振り返っていたら復活が待ち遠しくなった。

月刊ゴルフダイジェスト2021年12月号より

こちらもチェック!

  • 今年2月23日、カリフォルニアで起きた単独自動車事故で大怪我を負ったタイガー・ウッズが事故後初めてギプスなしでコースに立つ姿がキャッチされた。 タイガーの動向を追うツイッターアカウント「TWLEGION」が『バック・オン・ザ・コース(コースに帰ってきた)』のタイトルで、ツイッターにタイガーの息子・チャーリーくんが出場する試合会場での練習風景をアップしたのが10月10日。黒のゴルフウェアに身……
  • ウッド類1万2000本、アイアン1000セット以上という膨大な在庫を誇るレンタルクラブサービス「クラブステーション」。果たしてどんなシステムなのか。「試打クラブ」と「ラウンドセット」の2種類あるレンタルサービスのうち、「試打クラブ」を体験レポート! クラブは高い買い物。買って後悔はしたくない。ショップや練習場で試打をして購入を決める人も多いと思うが、インドアでの計測……
  • 本日10月5日より、Myゴルフダイジェスト有料会員に登録すると、タイトリストの「プロV1」ボールがもらえる新キャンペーンがスタート。「プロV1」は世界のトッププロが愛用するNo.1ゴルフボール。ショートゲームでは高いスピン性能を誇りながら、ロングショットでは適度にスピンを抑え、飛距離性能とコントロール性能を高次元で両立。確実にスコアメイクに貢献する高機能ボールだ。 今回は、「Myゴ……