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コロナにヘルニア…「不運続き」で世界ランク170位まで後退のD・ウィレットが久々V

欧州ツアーの「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」でダニー・ウィレットが2年ぶりに優勝。奇しくも最終日は本人34歳の誕生日。マスターズチャンプが自らのバースデーを最高の形で祝福した。

ライダーカップ出場組のT・ハットン(2位)やS・ローリー(4位)を抑え、逃げ切り優勝を飾ると、「観てくれた人はまさか自分が勝つなんて青天の霹靂だったでしょうね」と満面の笑み。プロアマ形式の大会は、予選をスコットランドの名門3コース(セントアンドリュース、カーヌスティ、キングスバーンズ)でプレー。最終日に聖地セントアンドリュースでプロ選手が決勝ラウンドを戦い、ウィレットは16年にマスターズを制したときのような切れ味鋭いショットでバーディを量産した。

最後に勝ったのは2年前の9月。欧州最大のイベント「BMW PGA選手権」を制したときの世界ランクは30位台だったが、以降、欧米両ツアーで予選落ちを繰り返し、トップ10入りは数えるほど。直近の世界ランクは170位だった。

急降下の原因は度重なる体調不良。ここ1年でコロナ感染や虫垂炎、ヘルニアなどに苦しめられてきた。

「ここのところ不運が続きました。ゴルフの調子が上がったと思ったら健康面の問題が生じて、思うようなプレーができずにいた」

それでも「裏ではすごく努力してきた」と本人。「でもゴルフは結果がすべて。いくら努力しても見る人にはわからない。今日は最後まで落ち着いて自分のゴルフができたし、最終日にいいプレーができるのは最高です」。しかもその日が自らの誕生日だったのだから、格別だ。

米ツアーのフェデックスランキングにあたる欧州ツアーのレース・トゥ・ドバイのポイントランクもこの勝利で123位から一気に22位まで駆け上がり、笑いがとまらないウィレットだった。

2016年のマスターズ覇者が復活ののろしを上げた(写真は2019年全英オープン。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より