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現役ツアープロがスコアラー! 東京五輪を陰で支えた功労者たち

埼玉県の霞ヶ関CCで2週間にわたって開催された東京五輪ゴルフ競技。その裏では実に多くの人たちが大会をサポートしていた。そんな陰の功労者たちを紹介しよう。

「世界の選手のプレーを間近で
見られて勉強になります」
(スコアラー・村田理沙プロ)

18ホール、ひとつの組について、スコアやデータを入力。ボランティアとは違う赤いウェアを着ていた。英語ができてゴルフにも詳しいというのが募集条件だった

一人目は、スコアラーとして活躍した村田理沙さん。普段はプロゴルファーとしてツアーで活躍する選手だ。

「2年前ぐらいにJLPGAに応募が来ていて、すぐ申し込みました。日本でやるオリンピックってもうないだろうし、海外の強い選手を間近で見られる機会もないですからね。それで迷わず応募しました。選手のスコアを入力するだけでなく、使ったクラブの番手、ライの状況など細かくアプリに入力していきます。世界ランキングが高い選手は、やっぱりグリーンに近づいてからが上手いですよね。あと簡単にボギーを打たない。凄く勉強になりました」

2019年にアメリカの下部ツアーに参戦していた村田。「そのとき一緒にプレーしていた選手がいて嬉しい」

「海外の選手はバランスがバラバラ
振り心地を大事にしているんですね
(クラブメーカー・真野義英さん)

テーラーメイドのツアーレップの真野さん。海外の担当者が来日できないので、日本のスタッフが対応した。女子では契約選手のM・ファッシをサポート

続けて紹介するのは、テーラーメイドのツアー担当・真野義英さん。普段は国内ツアーを転戦しているベテランレップだ。

「海外の担当者から事前に各選手のクラブのスペックやバランスを仕入れて、契約選手から注文が来ても対応できるようにしていました。それでもフィンランドのバラマキ選手のクラブがなくなって、新たに14本を組み直したり、フリートウッド選手のロフト角、ライ角を調整したりなど、予期せぬこともおきました。でもこんな機会なかなかないですし、とても貴重な経験ができました」

普段はなかなか話すことも少ないが、タイトリスト、キャロウェイ、ピンなど各メーカーが協力して選手を支えた

「メディアの皆さんが気持ちよく
仕事できるようにサポートしています」
(副メディアマネジャー・米澤将史さん)

霞ヶ関CCのメディアセンターの運営統括を担う。記者やカメラマンなどが円滑に取材できるよう取りまとめる。6月から約2カ月間現地入りして、準備を行ってきた

最後は、我々メディアをサポートしてくれた、副メディアマネジャーの米澤将史さんだ。

「ちょうど1年前ぐらいにオリンピック組織委員よりお話があり、五輪を経験できるのも生きているうちに1回だけだろうという思いもあって着任しました。通常のトーナメントのルールとは違うので、組織委やIGFと連携をとって、準備をしてきました。日々会場内で起こったことを各団体で共有し、その都度協議して対応してきました。充実した2週間でした」

男子も女子も日本人がメダルに絡んだとあって、多くのメディアが霞ヶ関CCを訪れた

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月24・31日合併号より

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