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「楽しめないゴルフは意味がない」スランプ乗り越え優勝のチャンプ。人種差別問題にも積極的

米男子ツアーの3Mオープンでキャメロン・チャンプが1年10カ月ぶりにツアー3勝目を挙げた。

最終18番パー5でティーショットを左に曲げ、2打目は出すだけ。3打目もグリーンに届かず、残り127ヤードの第4打をピンそばに寄せてパーパットを沈めると、渾身のガッツポーズで喜びを爆発させた。「最後まで退屈させなかったでしょ?」とヒヤヒヤのパーセーブに苦笑いだ。

思えば今年は腰の怪我で苦戦の連続だった。出場16試合で予選落ち9回、棄権1回回。ベストフィニッシュは17位タイで大会前のポイントランクは142位。間もなくはじまるプレーオフシリーズ(出場はトップ125のみ)への進出さえ危ぶまれたが、この優勝で一気に49位まで浮上。過去3シーズン連続で優勝した28歳以下の選手(C・モリカワ、J・ラーム、B・デシャンボー)のひとりとなった。

チャンプはアフリカ系の血をひくいわゆる“カラード(有色人種)”。祖父マックさんの手ほどきでゴルフを始めた彼は、自身のファウンデーション(財団)が主催する有色人種の子供(9歳から18歳の男女)のための大会を祖父にちなんで『マック・チャンプ招待』と名付けている。

タイガーの活躍でアフリカ系のゴルフ人口が増えるかと思われたが、実情は全体の3%にすぎず、競技人口となると1.5%にとどまる。

黒人ゴルファーの裾野を広げる活動に熱心なチャンプは、一昨年のブラック・ヒストリー・マンス(黒人歴史月間)に行われた試合で左右別々の白と黒のシューズを履き、差別問題に抗議する姿勢を示したインフルエンサーでもある。

優勝後のインタビューでチャンプは、「楽しめないゴルフは意味がない。結果が出ないと苦しいけれど、オンとオフを切り替え、せめて家では心安らかに過ごすようにしたのが復活につながった」

プチスランプを乗り越えた男は清々しい笑顔を見せた。

白黒シューズで人種差別への抗議を示したチャンプ(2019年フェニックスオープン。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月17日号より