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【全英オープン】24歳コリン・モリカワが逆転でメジャー2勝目。東京五輪へ視界良好

速報
2021.07.19

<全英オープン最終日/ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)/7189Y・パー70>

全英らしからぬ好天に恵まれた最終日、首位のL・ウエストハイゼンと1打差の11アンダーでスタートしたC・モリカワが4バーディ・ノーボギーの盤石のゴルフで15アンダーまでスコアを伸ばし、逆転優勝。1997年生まれの日系アメリカ人が24歳にしてメジャー2勝目を手にした。

日系アメリカ人の父と中国系アメリカ人の母を持つコリン・モリカワ。18番も危なげないプレーでパーセーブ(PHOTO/Oisin Keniry/Getty Images)

ショット貢献度1位、パット貢献度172位、リカバリー率176位(スタッツは7/12時点)。ショットメーカー、コリン・モリカワを優勝に導いたのは、アプローチ、そしてパット力の高さだった。

7番パー5では、グリーン手前からの3打目を20㎝につけバーディ。10番パー4では右ラフからの難しいアプローチを確実にピンオーバーさせ、返しの4mを事もなげに沈めてみせる。

バーディの欲しい14番パー5ではアプローチを寄せきれずも、段の下からの5mを強気のタッチで沈めバーディ。

続く15番パー4ではセカンドを左のラフに入れるも、そこから2mに寄せパーセーブ。

アプローチとパットでピンチをことごとくしのぎ、全英屈指の難コースで優勝のかかる最終日をノーボギーでプレー。

前半2つスコアを落としながら、7番のイーグルで息を吹き返したJ・スピースが一時1打差まで迫るも、そんなプレッシャーを微塵も感じさせない盤石のゴルフだった。

技術だけでなく勝負強さを併せ持つ

単に「堅いゴルフ」というよりは、勝負所を逃さない強いメンタル、そしてセルフコントロール力を持っている。

この日最初のバーディを奪った7番パー5では、同組で首位に並ぶウエストハイゼンがセカンドをグリーン右のバンカーに入れ、3打目をホームラン、反対側のバンカーに入ったボールは目玉という状況だった。この機を逃すまいと放ったアプローチがピンにピタリ。このホールでウエストハイゼンに2打差をつけた。

2位に2打差をつけて迎えた最終18番のティーショット、何かの音が気になりアドレスを解いたモリカワ。普通なら水を差されたことに苛立ちを覚えそうなものだが、一度水分を口に含み、キャディと笑顔で会話しながら気持ちをリセット。24歳とは思えない落ち着きっぷりで、仕切り直しをフェアウェイに運ぶ。勝利を確定させた瞬間だった。

飛ばし全盛の海外ツアーにあって、平均飛距離294Y(114位)、175㎝の小兵がメジャー2勝目。ゴルフがパワーだけでないことを改めて証明してみせた。

<全英オープン 最終成績>
優勝 C・モリカワ -15
2位 J・スピース -13
3位T J・ラーム -11
3位T L・ウエストハイゼン -11
5位 D・フリッテリ -9
6位T B・ケプカ -8
6位T M・ヒューズ -8
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59位T 木下稜介 +2

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