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「どんどんやるべき」“日本初”のプロアマを識者たちも評価

先日開催された「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」は、本来の意味での「プロアマ」と言える意義深い大会だった。

これまでのプロアマといえば、平たくいえば、大会スポンサーのための“営業”だった。スポンサーが集めた人たちに、出場するツアープロたちが、謝意を表してサービスするという構図だ。

しかし、今回の「プロアマ」は内容がずいぶん違った。出場するアマ300人は全国の予選会を経た上位者。そのアマチュアにプロ120人がそれぞれ2人ずつ同組で回る。プロは通常通りのストロークプレーで順位を競う。アマチュアは予選ラウンドがダブルス戦、決勝ラウンドがスクラッチ戦。新鮮なのは、アマチュアが予選会を通れば出場できるということだ。それを可能にしたのは、スポンサーのゴルフパートナーが全国に400の店舗を持ち、顧客たちの「プロと回ってみたい」との要望をくみ取ったためだ。

大会自体も、キム・ソンヒョンが58を出したり、元プロ野球の和田一浩・谷繁元信ペアがダブルス戦で2位に入ったりで盛り上がった。

ダブルスで2位に入った和田&谷繁ペア(PHOTO/Tadashi Anezaki)

こんなプロアマを「もっとどんどんやったらいい」と提唱するのはテレビ解説者のタケ小山だ。「公募できるというのがいいですね。結局、プロはアマチュアが支えていることにならなければ、ツアーも発展しないと思います。ただ今回は拡散力が弱いというか、プロモーション、マーケティングがイマイチだったかも……」

米ツアーに目を転じると、その昔、国民的歌手、ビング・クロスビーが冠だった大規模なプロアマが今も「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」として継続されている。米ツアーに詳しいテレビ解説者の佐渡充高氏は「今でこそツアーは大企業がスポンサーになっていますが、もともと、ツアーの成り立ちとして地元の個人や商店、商工会議所がサポートして、アマチュアがプロを応援するという風土があるんです。それで利益が出たら地元に還元する。日本でもそうなると最高ですね」

継続を期待しよう。

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月15日号より