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【インタビュー】リ・ハナ「憧れはイ・ボミ。子供たちが『プロゴルファーになりたい』と思うような選手になりたい」

23年に「樋口久子 三菱電機レディス」で待望のツアー初優勝を飾り、24年もシード権を確保したリ・ハナに、ゴルフを始めたきっかけから将来の目標まで聞いてみた――。

PHOTO/Osamu Hoshikawa

リ・ハナ 2001年7月26日生まれ、韓国仁川市出身。A型。20-21シーズンにステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げ賞金ランク1位。翌年からレギュラーツアーに本格参戦し、23年の「樋口久子 三菱電機レディス」で待望の初優勝。24年もポイントランキング41位でシードを確保

韓国から日本へ

韓国出身のリ・ハナは、日本のプロだ。韓国のプロ資格は持っていない。なぜ日本のプロテストを受けたのか?

「生まれ育ったのは、国際空港がある韓国のインチョン(仁川市)です。小さい頃は物静かなタイプで、夢は魔法使いになることでした。兄弟姉妹はいません。韓国はひとりっ子が多いんです。ゴルフ好きだった父の影響で、8歳で初めてゴルフのレッスンを受けました。実は3歳くらいでゴルフカートに乗っていた写真があって、もっと小さいときにゴルフは始めていたかもです」

小さい頃の夢は「魔法使い」

「日本でプロテストを受けたのは、両親が日本に住んでいたからです。両親は日本で仕事をしています。ですので、高校を卒業してすぐ日本に来ました。高校生まで日本語はしゃべれませんでしたが、今はだいぶ話せるようになりました」

インタビューでも問題なく受け答えするハナは、2回目のプロテストで合格。19年の1回目のとき、特別規定によりQTを受け、単年度登録で20-21年のステップ・アップ・ツアーに出場。同ツアーで3勝を挙げ、賞金ランク1位を獲得。その実力に注目が集まった。


「韓国では小学、中学、高校のそれぞれで、全国大会で優勝しています。プロを意識し始めたのは、少し遅くて高校2年くらいです。将来を考えたとき、ちゃんとプロを目指そうって。そのために何をすべきか、いろいろ考えるようになり、日本でプロテストを受けました」

23年にレギュラーツアーで初優勝を飾ったハナは、2季連続でシード入りを果たす。彼女の武器とは何か?

「メンタルです。メンタルが強いというか、他の人のプレーによって自分が変わることはありません。周りの状況に影響を受けないというか、そういった思考をシャットアウトできるんです。スコアボードを見ても自分に集中を戻せます。そこが強みなのかなって思っています。

24年の目標は優勝だったので、25年は24年の分も含めて2勝以上したいです。日本ツアーは飛ぶ選手が多く、ロングゲームが上手くできないと戦えないと思っていたのですが、もともと得意だったアプローチ、パットを改めて強化していくつもりです。自分が得意なスタイルを伸ばしていくほうが、スコアにもつながると考えています」

最後にどんなプロゴルファーになりたいのか? ハナに聞いてみた。

「子供たちが自分を見て『プロになりたい』、そう思ってもらえるようなプロになりたいです。そのなかにはいろいろな意味があります。人間性もそうですし、ゴルフの上手さ、強さもそうです。すべてで憧れられるゴルファーです。実は私の憧れはイ・ボミさんなんです。1回もしゃべったことがないんですけど、24年のマスターズGCレディースの1番ティーで、ボミさんが実況していたんです。せっかく会えたのに緊張して言葉が出ず、何もしゃべれませんでした。ボミさんとおしゃべりしたかったのに……」

ハナにとってイ・ボミは“高嶺の花”だった。だが、ハナのゴルフが誰かの高嶺の花になる可能性も十分ありそうだ。

週刊ゴルフダイジェスト2025年1月21日号より