【PGAツアーエキスプレス】Vol.40 プレジデンツカップと丸山茂樹「毎日が必死で結果なんて考えられなかった」
ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第40回は、11年ぶりにプレジデンツカップの舞台に副キャプテンとして帯同する丸山茂樹、当時の記憶を振り返る。
PHOTO/Getty Images 取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)
最強タッグが再び実現
9月24日からプレジデンツカップが開幕する。2年に1度、米国選抜と世界選抜(欧州を除く)がぶつかり合うこの大会に松山英樹が6大会連続で出場する。さらに、丸山茂樹が11年ぶりに副キャプテンとして帯同することになった。
丸山といえば、26年前ロイヤルメルボルンで開催されたプレジデンツカップに初出場を果たし、5勝を挙げる大活躍を見せ一躍スター選手として注目を浴びた。当時のことを丸山はこう回顧する。
「僕はルーキーで28歳だった。アメリカの選手はスーパースターばかりだった。チャレンジャーだから戦うのは全然怖くなかったね。負けても失うものはないし、とにかくアメリカチームに勝つんだという強い気持ちだけで戦っていた」
そういった気持ちで戦えたのは、当時キャプテンを務めていた故ピーター・トムソンが常に選手たちにリラックスを与えてくれたからだと続ける。
「ピーター・トムソンさんがチーム全体の雰囲気を良くしてくれた。すごく明るくシリアスにならないように。みんなが明るく行動できたのは彼の影響だと思う。だから僕もスマイルで『ワァー!』と盛り上げていた」
とはいえ、丸山自身が全戦全勝という大記録を残すとは本人も想像していなかった。
「その時は毎日が必死で結果なんて考えられなかった。だから5勝したこともあまり実感していなくて周りに『5勝だ!』と興奮気味に言われたんだけど、そんなにすごいことだと思っていなかったね。でも、終わってから皆に祝福されて『あ、俺すごく頑張ったんだ』と。アニキ分のグレッグ・ノーマンとかから『おめでとう! すごいよお前!』と言われて。自分はまだ若かったし、アピールするのに絶好の機会だと思って優勝カップを頭に乗せて大喜びした。それに便乗してみんなも喜んでくれたのが嬉しかった」
そんな丸山を副キャプテンに任命したのは当然、世界選抜チームの中心選手であり、キーマンでもある松山英樹の存在が大きい。6大会連続出場、日本人初のメジャーチャンピオン、PGAツアー通算10勝、パリ五輪銅メダル……もはや誰も疑いようのない成績を挙げているまさに“エース”だ。
松山は過去、プレジデンツカップで7勝10敗5分の成績を残している。それは決して満足のいくものではないだろう。今回はパリで銅メダルを獲得した時と同じように近くに丸山がいる。何か大きなことをやってくれそう。そんな雰囲気がある。
2年前の雪辱を果たしたい!
当時を振り返り松山は「チームとしてもう少しで勝てるところまで行っていた。今でも悔しい思いがある」と、雪辱を誓っている
韓国の若手トム・キムの戦いにも注目
丸山と同じく副キャプテンを務めるトレバー・イメルマンは「次世代の世界的スーパースター」と称賛するほど実力を認めている
月刊ゴルフダイジェスト2024年11月号より
>>こちらもCHECK