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【インタビュー】中島啓太<後編>「合言葉はJKG。インドと日本で同時優勝」

今シーズンよりDPワールドツアー(欧州ツアー)を主戦場に戦い、早くも優勝を遂げた中島啓太。後編では、欧州ツアーでの生活や優勝した試合のこと、今後のプランなどについて語ってもらった。

PHOTO/Getty Images、Hiroaki Arihara

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  • 昨年の日本男子ツアー賞金王、中島啓太。今シーズンはDPワールドツアー(欧州ツアー)を主戦場に戦い、参戦6戦目にして早くも「ヒーローインディアンオープン」で優勝を遂げた。久しぶりの母国日本での外旋試合を前に、意気込みと、優勝した試合のことについて聞いた。 PHOTO/Getty Images、Hiroaki Arihara >>後編はこちら ……

今回の優勝で、金谷拓実との「よきライバル物語」にもまた1ページが加わった。同じ週に行われた日本ツアー開幕戦、東建カップで、金谷は23アンダーの大会記録で優勝したのだ。

「もちろん意識して初日からリーダーボードを見ていました。金谷さんがだんだん上位にくるのもわかっていて、錬さんとも、『これ、7割くらい金谷さんが勝ちますね』って話をして(笑)。やっぱりトップに上がってきました」

大会中の2人がやりとりしていたメッセージに、「JKG」という謎のワードがある。いったいどんな意味なのか。

「2日目のときに『JKG』という単語だけが金谷さんから送られてきたので、僕もそのままお疲れさまの言葉もなしに『JKG』という言葉だけ送り返して(笑)。最終日も金谷さんからは『優勝おめでとうJKG』ときたので、『おめでとうございますJKG』と返しました」

この「JKG」という言葉を考えたのは金谷であり、いまでは2人の合言葉のようになっているという


「ナショナルチームのミーティングで金谷さんがJust Keep Goingという言葉を発して、コーチがその言葉を気に入って、『JKG』という言葉ができたと思います」

”走り続ける“といった意味のその合言葉は、これから何度も2人の間で交わされるに違いない。

さて、欧州ツアー生活をもう少し聞いてみよう。中島は基本、キャディの岡崎錬とともに行動する。コーチのガレス・ジョーンズとは、LINEやビデオチャットでやり取りしている。ほぼ毎週開催コースも国も変わるし、今のところ全部が初経験のコースだという。それぞれが個性的だが、

「芝はバミューダが多い。僕はそんなに苦手ではないんです。ドバイで行われたアジアアマに優勝したとき(21年)もバミューダ芝でしたから。まだ中東と南アフリカとアジアしか行ってないですけど、フィールドのレベルはすごく高い。たくさんスコアを伸ばしても順位は少し上がるくらい。とにかくスコアを伸ばさないといけない試合がかなり多いというのと、風が吹いてもビックスコアを出す選手もいます。これから欧州本土に入ってもいろいろ苦戦すると思うので、より覚悟を持って、これから欧州ツアーに新しく参戦するくらいのつもりで臨みたい。実際、(日本の)賞金王がヨーロッパに行ったということも現地ではそんなに気にされることでもないですし」と笑う。

「練習場では皆すごくいい球を打ちますし、パッティンググリーンでも本当にムダな練習がない。質の高い練習をしています。また、試合前にジムで会う選手はいいウォームアップやトレーニングをしています。そしてたとえばマシュー・フィッツパトリックの弟、アレックスなんかは、ジムで会うとすごく明るいんです」

コミュニケーション能力も高い中島。ナショナルチーム時代の経験も大きい。「一緒にやってきた選手がDPワールドツアーにいる。特にオーストラリアの選手とは交流が深いので、そういう仲間がいるのは嬉しいですね」

皆がカッコいいという中島のスウィング。「きれいじゃないですよ。でも、数字が悪くならないように意識しながら、スウィングの見た目は捨てて、ボールをコントロールできることのほうが大事です」

食事や過ごし方は?

「僕はまだ海外で運転できないので、オフィシャルホテルに泊まって大会側の送迎でコースに行ったりしていますけど、だいたいホテルの周りに何かしらあるので、全然食事には困りません。まだあまり観光はしていませんが、シンガポールでは、マリーナベイサンズに行きました。やっぱり楽しまないとやっていけないですし、基本僕はホテルの部屋に籠るというのが好きではないので、カフェを探してそこに長い時間滞在したり、そういう楽しみ方もしていますね。音楽は特にこだわりはないので、YouTubeやアップルミュージックで最近流行りの曲を検索してそれを部屋で流しっぱなしです」

ゴルフもゴルフ以外も自分のペースで、自分らしく楽しむことができる選手は海外でも強い。

パリ五輪もPGAもプランを明確にし目指す

さて、今後の目標は?

「まずは優勝できたので、来年の欧州ツアーの出場権をゲットできて、それは正直すごく嬉しい。スケジュールを立てやすくなったのが一番大きくて、試合を選び、連戦して休んで、というプランにしようと思っています。上手く体のコンディションをキープしながら試合に出続けたい。もちろんもう1勝することも目標ですし、賞金ランク10位以内に入って久常選手のようにアメリカに行くということを目標に頑張ります」

夏のパリ五輪出場のチャンスも増えた。

「オリンピックの出場権もすごくほしいので、意識しながらスケジュールを組みたいです。今後は、全米オープンの予選会はスケジュールがタイトなので今のところ出ない予定で、世界ランキング60位に入っての出場を目指します。出る試合を選んでそこに向けてしっかり調整していくという感じです。目先で一番大事な目標は、全米プロになると思います」

中島啓太のクールでファニーな戦いぶりを応援していこうではないか。

週刊ゴルフダイジェスト2024年5月7・14日合併号より