レッスン
ギア
プロ・トーナメント
コース・プレー
雑誌
【スウィング研究】再現性が極めて高い! 中島啓太&山下美夢有の絶品アイアン
プロ汁!ごっくん
圧倒的な強さで23年シーズンの賞金王、年間女王になった中島啓太と山下美夢有。若手王者2人のスウィングを、プロコーチの石井雄二氏が解説!
PHOTO／Tadashi Anezaki、Shinji Osaawa、Hiroyuki Okazawa
山下美夢有 2001年生まれ。22年は史上最年少で年間女王に。23年は最終戦「リコーカップ」で大会連覇となるツアー11勝目を挙げ、2年連続の年間女王に就いた
解説／石井雄二 穴井詩を復活優勝に導いたプロコーチ。男女ツアー会場に足を運ぶ
ミスがミスにならないスウィング
23年シーズンの賞金王、年間女王になった中島啓太と山下美夢有。他を寄せ付けないプレーの凄さには、共通点があると石井コーチは言う。
「特にアイアンショットは、再現性がかなり高く、反復動作がしやすいスウィングなのが2人の共通点です。余計な動きが入らずシンプルな軌道なので、ほかの選手と比べるとミスが少ないんです。体の動きでいうと、クラブ（腕）が体の正面から外れていないということです。スウィングアークを確保したうえで、腕が体に近い所を毎回同じように通ってくる。動きのクセが強い選手と比べると圧倒的に安定感は高くなります。ツアープロでも、上下動する選手やトップで体から腕が外れる選手はいます。もちろん、その人のタイミングや体に合ったスウィングなので悪い動きとは限りませんが、“再現性”という面で言うと、2人のようなシンプルなスウィングのほうが、ミスになりにくい。なので、バーディをいつも狙えるようなゴルフに見えますね」
フェアウェイからピンを狙う精度が高い!
「特にアイアンの縦距離、横幅のズレが少ない。スピン量や打ち出し角の高さなど、自分の想像通りに打てているんだと思います」
ドライビングディスタンスは2桁順位も、トータルドライビングは上位
特に山下美夢有は飛ぶほうではないものの、トータルドライビングは2人ともトップレベル。安定感の高さがデータからわかる
中島啓太
切り返しから最短距離でインパクト!
「コンパクトなトップから、体のターンをしっかり使って打っています。クラブのねじれがほとんどないので、トウダウンも少なくなりライ角通りにインパクトできてます」（石井）
山下美夢有
常に胸の正面にクラブがある!
「スウィング中の上下動が少なく、体からクラブが外れないで振れている。練習でのスウィングとプレッシャーを感じたときのスウィングが変わらないのも強みです」（石井）
「2人のスウィングは倉本プロに通ずるところがあります」
「倉本昌弘プロは体の回転でスウィングするタイプで、シンプルな動きで打っている点では、2人に共通していますね」
コンパクトなトップから体のターンを存分に使って打っている
「再現性の高さを可能にしているのは、コンパクトなトップと回転力。若手がマネしたいスウィングだと思います」
月刊ゴルフダイジェスト2024年2月号より
