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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.128「倉本さんのすごさ」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

前回のお話はこちら

倉本(昌弘)さんが今年限りでレギュラーツアーから撤退する意向を口にされたようです。

発表したんが関西オープンの最終日で、倉本さんは予選を通過しておるわけですよ。それで、4日間やってみて無理やと思ったいうことなんですが、僕らからしたら67歳でレギュラーツアーで予選を通過すること自体がすごいことです。

今、シニアツアーで60歳以上で賞金シード30位以内に入っておるのは、倉本さんとそれ以外は室田(淳)さん、崎山(武志)くんと、久保(勝美)くん、清水(洋一)くんの4人です。倉本さんは永久シード選手なので出場権は持っていますが、賞金ランク(22位)でシードを取れているというんがすごいです。


倉本さんは学生時代やプロデビューしたての頃から大活躍してきた人ですから、それが今でも試合で活躍できるというんは僕らからしたら考えられないことです。

年齢がいってくるとスコアメイクをするんにネックになってくるのは飛距離ですが、倉本さんは今でも飛びますからね。急に飛ぶようになったわけではなく、昔から飛んでいたタイプですから。

もちろんトレーニングをやられているし、効率よいスウィングができているから、年齢がいっても飛ばせるわけですけど、昔からの飛ばし屋は年齢がいっても飛距離はそないに落ちないもんです。

僕らでも若いときに少し飛ぶようになったときもあったけど、元々の飛ばし屋やないから、年をとってくると飛ばんようになってしまう。この違いは大きいです。

僕らがプロに入った頃は、若手は皆、ゴルフダイジェストを買って倉本さんのスウィングの分解写真で、あのコンパクトなトップからどうやってタメてくるんかを見てマネしてましたよ。

冬のオフの間にずっとスキー場におって、そのまま開幕戦に来たりしてはりましたよね。「久しぶりにクラブ握るんや」言うてそのまま開幕戦に出るような人ですから、そういうことも含めて皆が憧れてました。まあ、相変わらず今もすごい人ですわ。

「今でもとにかく飛びます。見えないところで、トレーニングもしっかりされてはるんです」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2023年5月9・16日合併号より