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石川遼の「58」を3打も更新した大記録! “世界最小ストローク”の驚きの中身とは?【ゴルフの数字】

4人1組、1ラウンド18ホール、パー72……ゴルフにまつわるいろいろな数字。知らなくてもゴルフはできるけど、知っていればゴルフがもっと楽しくなる! 今回は、ストロークの最少記録に関するお話。

当時の石川の勢いを象徴する衝撃的な優勝だった(PHOTO/Kiyoshi Iwai)

石川遼の「58」から2年後、とんでもない記録が

2010年5月2日、「中日クラウンズ」(パー70)最終日に当時18歳の石川遼が「58」という驚異的なスコアを出し逆転優勝を果たしたのはいまだ記憶に新しい。首位と6打差でスタートした石川は、前半を7バーディの「28」で折り返すと、後半も5つのバーディを重ね、終わってみれば2位に5打差をつける圧勝。「58」は世界最小ストロークとしてギネスに認定された。

しかしこのセンセーショナルな記録は、わずか2年後に更新されることとなる。それも、一気に3打も更新してしまったのだから驚きだ。

「55」という異次元のスコアが飛び出したのは、2012年5月12日。米オクラホマ州のリバーオークスGC(パー71)で行われたミニツアー「ゴルフウィーク・ナショナルプロツアー」でのこと。オーストラリア出身のライン・ギブソン(当時26歳)は、前半6つのバーディを奪い「29」で回ると、後半は10番をパーとしたあと、イーグル、バーディ、イーグル、バーディ、バーディ、バーディ、バーディ、バーディ……つまり上がり8ホールで10アンダーを叩き出し後半「26」。

ギネス記録に認定されるためにはコースの全長が6500ヤード以上であることが条件だが、リバーオークスGCは6698ヤードとこの条件を満たしていた。このときに使っていたパターが、日本の「山田パター」製だったことも話題になった。

この55という数字は10年以上経った今でも破られていない。アニカ・ソレンスタムや宮里藍らを指導したピア・ニールソンは、18ホールすべてでバーディを奪い54というスコアを達成する「54ビジョン」を提唱しているが、その54まであと1打に迫る大記録。今後、これを更新する選手は現れるだろうか。

ちなみに、米国PGAツアーでの最少スコアは、石川遼と並ぶ「58」。2016年8月7日に米コネチカット州で開催されたトラベラーズ選手権(パー70)で当時46歳のジム・フューリックが達成している。フューリックは2013年のBMW選手権でも「59」でラウンドしており、PGAツアーで50台のスコアを2回記録した唯一のプレーヤーとなった。

クラブ1本で2アンダーという記録も!

ゴルフスコアの世界記録としてもうひとつ面白いものがある。1本のクラブだけを使って18ホールをラウンドした最少スコアだ。1987年に米ノースカロライナ州のロックミアGCで開催されたワールド・ワン・クラブ・チャンピオンシップで、米国人のサド・デイバーが6番アイアン1本で叩き出したのが、なんと2アンダーの「70」!

14本を駆使しても100を切るのがやっとな我々アベレージゴルファーからすると、にわかには信じがたい話だが、しっかりとギネス記録に認定されている。14本で「54」はムリでも、1本で「70」なら……と思った腕に覚えのあるあなたは、一度挑戦してみては?