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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.52「ゴルフは手前から」は上級者限定!? いつでも“オーバー狙い”のすすめ

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

「ゴルフは手前から」と言われるがボク的には反対。オーバーできるものなら、オーバーしてみぃ! そのほうがきっとスコアがいいから、と思う。

アプローチをショートしたらスコアカードにバツ印をつけてみるといい。バツの数が少ないほど、スコアがいいことに気づくだろう。

アベレージゴルファーはショートが多い。

冒頭の標語を意図的に実践しているというよりも、 ちゃんと当たらないので届かないというのが正解だろう。にもかかわらず、エッジまでの距離とピンまでの距離だけチェックして、グリーン奥までの距離をまったく考えていない人が多すぎる。

例えば、エッジまで129ヤード、エッジからピンまで16ヤードの合計145ヤードだったら。大抵が145ヤードまでのクラブを選択する。それでちゃんと芯に当たらないからショートするのだ。グリーンの長さが32ヤードあって、ピンから奥まで16ヤード、つまり合計161ヤードまでOKでも、そこまでのクラブを選択する人はまずいない。

せっかく広いグリーンなのに手前半分しか考えず、自らグリーンを狭くしているのだ。それはもったいなさすぎる。

ボクはこの状況だったらおそらく7番を選択する。もちろん、まともにフルショットしたらグリーンオーバーなので加減はする。すると、芯に当たらなくてもグリーンには乗るし、多少強く入っても、こぼれることもない。なぜなら、最近のクラブは性能がよく、意外とスピンが効くからね。

キャディのバイトをしていたとき、同じような状況で「9番ください」という人が多かった。でも、「9番じゃ届かないから7番持ってきました~」と言って、半ば強制的に大きい番手を持たせた。その調子で、全ホール大きめに打ってもらった結果、何人もべストスコアを更新した。

「ゴルフは手前から」は、どんなと ころからでもOKに寄せられる超上級者の話であって、アベレージゴルファーは「ゴルフは大きめ」がおすすめだ。

ピンをオーバーさせると、下りのパットが残り3パットでボギーかもしれない。でも、上りのパットだって距離によっては3パットする。それに、グリーンに届かず手前のバンカーにつかまったらボギーじゃ済まない。そう考えると、断然オーバーのほうがいい。

ピンが2段グリーンの上段で奥まで数ヤード、という状況でもオーバー狙いが正解。こぼれても、2段グリーンの奥は大抵下っているから、返しは上りで難しくない。でも、ショートして下段につけたら4パットもあるからね。

とにかく、一度試しにショートしたらスコアカードにバツ印をつけてみて。きっと、オーバーさせるには、こんなに打たないとダメなのかと実感するはず。そうすれば、マネジメントが、また変わってくるからね。

そうだ、ショートしたら100円貯金、というルールもいいよね。きっと、すごい貯まるから(笑)

手前からという固定観念を捨て、ピンの奥を狙うクセをけよう。グリーンを広く使えて、気持ちにも余裕が生まれる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年12月12日号より