【“キンクミ”復活へ】#2 手先の感覚に頼った我流スウィングから、“お腹で押し込む”回転スウィングへ
ジュニア時代から天才少女として名を馳せた“キンクミ”こと金田久美子だが、20代半ば以降、常に「引退」の二文字がよぎり続けていたという。そんな金田も30代を迎え、復活の兆しを見せつつある。一念発起して取り組んだ金田のスウィング改造に迫る!
PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、KJR THANKS/泉パークタウンゴルフ練習場、ダンロップ泉パークタウンテニスクラブ
金田久美子
1989年8月生まれ。愛知県出身。3歳でクラブを握り、19歳でプロ転向。21歳でプロツアー初優勝を飾るも、その後は思った成績が出ず、24歳でシード喪失。QTランク87位からスタートした今季は第1回リランキング18位、第2回が25位と健闘し、久々となる優勝争いも経験
●CONTENTS●
#1 ゴルフ生活30年“キンクミ”HISTORY
#2 我流から“お腹で押し込む”回転スウィングへ
#3 スウィングの悪癖は“アドレス”が原因だった
#4 足を怪我して気がついたスウィングの要
#5 優勝スコアを見て「私でも出せる!」
スウィングを変え当たりがぶ厚く
試合中継を見ていて、金田の最近のスウィングが以前と大きく変わっていることに気付いた人は多いのではないだろうか。下の写真の上が手先の感覚頼りだったという25歳までのスウィングで、下がスクエアに立つことで「悪い癖も自然に消えた」という現在のスウィング。以前は比較的肩を縦に使い、切り返しからインパクトにかけリストコックをほどきながらボールに“合わせる”ことで球を拾っていたが、現在は肩と腰が平行に近い横回転をしつつ手首の動きも抑えることで、体の回転で球を押し込むことができている。
「以前のように腕を使って極端なダウンブローで打っていた頃は、当たらない(当たりが薄い)感覚がありました。お腹を意識して回転するようになってからは打ち込む度合いも減り、当たり方も改善されてきている気がします」
それまでは手先の感覚で曲がり幅を調整できたが、次第にそれを抑え込むことができなくなってきたことでスウィングのビッグチェンジに踏み切った金田。最悪だった頃にはチーピンが止まらなかったというが、今は230ヤード超えの真っすぐに近いドローが打てるまでに復活してきた。
【24歳のスウィング】
手先の“さばき”で球を拾っていた
肩を縦に使い、高い位置から腕を振り下ろしながらリストコックをほどいていき、インパクトに向かう。手先の感覚が“天才的に”鋭い金田ならではのスウィングだった反面、感覚のズレや故障に弱かった。
【32歳のスウィング】
腕の振りを抑え回転重視にシフト
肩や腰が水平回転に近くなったことで、昔と比べてトップでの手の位置が低くなっている。さらに手首の角度が比較的キープされていることで、体の回転で球を押し込むことができ、払うような軌道に変化した。
具体的には何をどう変えた? キンクミの気づきを大公開
>>スウィングの悪癖は“アドレス”が原因だった
>>足を怪我して気がついたスウィングの要
>>優勝スコアを見て「私でも出せる!」
週刊ゴルフダイジェスト2022年11月1日号より