【強いフェードを手に入れる!】#2 まずは“球がつかまる”状態をつくっておこう
弱いスライスと強いフェードの違いは、球がつかまっているかどうかだと吉田直樹コーチは言う。そこでまずは、球をつかまえるための準備について聞いた。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Shinji Osawa THANKS/小樽CC旧コース
●CONTENTS●
#1 世界の主流「プッシュフェード」のメカニズム
#2 “球がつかまる”状態をつくっておこう
#3 フェードで270Y! 馬場咲希のコーチの教えとは?
#4 ドラコンプロに学ぶ「握り方」のコツ
#5 トップアマ3人のフェード習得法
フェード=カットは間違い
飛ぶフェードを身につけるためにはどうすればいいか。まずは、小祝さくらをフェードヒッターに転身させた吉田直樹コーチに話を聞いた。
「ゴルファーは本能的に(出球が)左に飛ぶことに恐怖があります。だから、自分の向きに対して少し右に打ち出せるフェードが理想です」
フェードは「カットに打つ」と思い込んでいる人が多いが、それだとスピン量が増えて飛ばない球筋になってしまう。
「飛ぶフェードは、つかまえる要素が9割、逃がす要素が1割です。とくに、アドレスでつかまる形を作っておくことが、飛ぶフェードには何よりも必要です」
グリップは左手フック&ハンドファースト
左手のグリップを自然なフックグリップにし、ややハンドファーストになる位置に構えることで、普通にスウィングしたときに球がつかまりやすい構えになる。
左を向いて軸を右に傾ける
グリップが完成すると、自然と上体の軸が右に傾く。これによって、クラブをインから入れ、ゆるやかなアッパー軌道で振る準備ができる。球が右に出る分、スタンスは左を向ける。軸が左に傾くと右肩が前に出て、カット軌道&ダウンブローになりやすい
フェースの開閉を抑える
方向性に難のある人は、テークバックで過度にフェースを開いて、それを強引に閉じながら打っている。これだと真っすぐ飛ぶタイミングでボールをとらえるのは至難のワザ。
スウィング中のフェースの開閉はできるだけ少なくしたい。ダウンスウィングでシャフトが地面と平行になる地点で、フェース面の角度が背骨の角度と平行になっているのが目安。
バックスウィングでつかまる形を作る
バックスウィングで右サイドが広く空いていると、インから下ろしやすくなる。右の尻に体重をかける感じでテークバックすると、スペースを確保しやすい。
トップで右腰の回転が不十分だったり、胸の面の向きが変わらないと、右サイドのスペースがなくなり、クラブが外から下りやすい。
小祝もアドレスチェックを欠かさない
「小祝はアドレスで右を向くクセがあり、イン‐アウトが強かった」と吉田。今は確実に左を向いて構えるように、常にチェックしている
つかまる形ができれば開いても怖くない
アドレスで「つかまる形」を作ったら、あとは「体を回し続けることでフェードが打てる」と、吉田コーチ。
「体を回すことは、『開く』ということですから、ドロー至上主義のベテランゴルファーなどからは拒否反応が出ます。だからこそ、つかまる構えとフェース使いが大事。これをまず覚えてしまえば、いくら体を回しても右には飛びません。左足を後ろに引くイメージを持つと、スムーズに回れるケースが多いです。逆に右足が前に出ると、腰が引けてしまいます」
Point
左足を引くように使うと回転しやすい
小祝さくらも“開く”のが苦手だった
元々ドロー打ちの小祝は、体を開く(回す)のが苦手。「胸をもっと回していいんだということを繰り返し伝えて、いつもその練習をしています」(吉田)
月刊ゴルフダイジェスト2022年11月号より