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上級者でも、知らず知らずのうちに「ミスが出やすい構え」に……もうザックリしない! 軌道修正ドリル

アマチュアがアプローチでミスする原因は“インアッパー”軌道にあると内藤雄士コーチ。アプローチのミスに悩むアマチュアをモデルに、改善点を教えてもらった。

PHOTO/Takanori Miki THANKS/ハイランドセンター

解説/内藤雄士
日大ゴルフ部在籍中に米国へ留学し、さまざまな理論を学ぶ。帰国後は丸山茂樹はじめ多くのプロを指導し、現在は大西魁斗や木村太一を指導。ジュニア育成も力を入れる

アマチュア代表/岡田圭史さん
ドライバーは平均240ヤード、アイアンショットも問題ないが、アプローチのミスが出だすと止まらず、「足を引っ張っている」という

>>アプローチが苦手な人の共通点とは?

自然と“インアッパー”になっていた

内藤 イン-アウト1.8度という数値だけ見ると、許容範囲に感じるかもしれませんが、これはターゲットに対する数値なので、実際はこれにスタンスを開いた分だけ角度が足されて、20度近くになりますよ。

岡田 そんなに右に!? スクエアに振っているつもりでした。

内藤 さらに岡田さんはハンドファーストの度合いもキツいので、アッパー軌道になり、さらに角度も大きいです(3.4度)。左寄りに球を置く人は、若干(1~2度)のアッパーになるのが適正ですが、岡田さんは少しボールを右に置いているので、1~2度のダウンブローが理想ですね。ただ、これは構えが作ったヘッド軌道なので、まずアドレスを改善し、そこからヘッド軌道の修正をやっていきます。


イン-アウトですくうように打っていた

内藤の説明通り、左を向いて目標にヘッドを出していた岡田さん。「棒を置いてみて初めて知りました……こんなにズレるんですね」

<岡田さんのGC4による計測データ>※30Yを56度のウェッジで打った場合
●ヘッド軌道……1.8度イン-アウト
●入射角……3.4度アッパー
●インパクトロフト……43.7度

自然なイン・トゥ・イン軌道を
作るおすすめドリル

ヘッドは体に対し、常に自然なイン・トゥ・イン軌道で動くことが、再現性を高めるための理想だという内藤。そのためのドリルを1つ教えてくれた。

内藤 ツアープロもよくやっている定番ドリルですが、これをアプローチでやります。上腕で軟らかいボールを挟み、適度な力でこれをつぶすように両腕を絞ってください。こうすることで腕への意識が消え、回転で球をとらえられるようになります。これまで岡田さんはテークバックでヘッドを後ろ(背面)方向へ引っ張るように動かしていましたが、これでは体の回転に対しヘッドが動きすぎです。両者の“ラグ”は、ヘッド挙動のブレも引き起こすんですよ。

岡田 何というか、腕と体の連動性が上がった気がします。

内藤 そうです。連動性が上がれば、腕とヘッドの運動量が完全に一致し、自然なイン・トゥ・イン軌道で振れるようになります。データを見てみてください。軌道、インパクトロフトが改善されていますよ。

岡田 本当だ! これだけでこんなに変わるなんて驚きです。

Drill 1
腕と体の連動性を高める“ボール挟みドリル”

ボールを挟むことで腕への意識が消え、腕と体に連動が生まれる。「まずは、腰から腰くらいの振り幅で打ってみてください」(内藤)

体と腕が連動するとヘッドは最短で動く

ヘッドをインに引きすぎ、ヘッドが背中側に“遠回り”していたことが、極端なイン-アウトの原因。「腕とヘッドの運動量を揃えることで自然なイン・トゥ・インになります」(内藤)

Drill 2
ヒール浮かし打ち

ボールの近くに立ってクラブを吊るように構えて打つ。こうすると自然と軌道が良くなるうえ、ヒールが浮くことで接地面積が減ってライの影響を受けにくくなる。球を上げたいときは、インパクトロフトを寝かすために、少し左に置いて打てばOK。薄芝などダフリたくない場面で実際に使えるテクニック

Drill 3
胸にクラブを当てて振る

より体の回転とクラブヘッドの動きを連動し
やすいドリルとして、胸にクラブを当てた素
振りもおすすめ。これも試してみよう

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月20日号より