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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.38「1番手“4球”で十分。母の夏練」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ボクが住んでいるのは、愛媛県今治市。獣医学部が新設される大学の建設地として全国から熱い視線を集めているが、実際に気温も暑い。海の近くなので湿気があり、とにかくムシムシするのだ。正直、ゴルフどころじゃない感もあるが、母は9月に開催される日本スポーツマスターズゴルフ選手権と10月開催の日本女子シニアゴルフ出場に向け、黙々と練習している。

「練習はラジオ体操みたいなものよ」と母はいう。その心は、毎日続けることに意義があるとな。

本格的に練習をはじめたのは、まだ寒い時期。当時は、SWからドライバーまで、1本ずつ納得がいくまで練習するというスタイルだった。SW>PW>9I……と徐々に番手を上げ、ドライバーで完了となる。ただし、途中でつまずいたら振り出しに戻り、またSWから練習する。ストイックな母はなかなか納得しないので、ドライバーに到達するまで3~4カ月かかった。

そうこうしているうちに夏となり、今は新たな練習法に取り組んでいる。それは、“奇数番手”と“偶数番手”を日替わりでチェンジし、番手ごとに4球打つ練習法だ。今日AW、9I、7I……1Wを4球ずつ練習したら、明日はSW、PW……4Wを4球ずつ。ダメだった番手をおさらいし、さらに数球打つことがあっても、球数は1日せいぜい40球。少なくて驚くかもしれないが、ポイントをしっかり意識しながら行うと、「たった40球でも十分よ」と母はいう。簡単な動きでも、ポイントを意識して動くと、めちゃくちゃいい運動になるラジオ体操と一緒である。

少ない球数でも、ポイントを意識して入念に行えば、効果絶大。ラジオ体操と同じように“毎日”少しずつ行うことが大事だ

彼女が意識しているのはクラブの入り方で、とくにダフリに注意している。

「ダフったら、まずその原因を考えるわね。私の場合、手首のコックがはやくほどけてしまったか、左のグリップが甘かったか、トップで肩の入りが浅かったかの3つに絞られる。もし、ほどけるのが早いと思ったら、次はそこを修正する。それの繰り返しよ。それだけ」と母は言う。

2日かけてすべての番手を網羅するというのもミソなのかな。「年とって、飛ばなくなると全番手使うのよ。ティショットで1Wでしょ、2打目でFWかUTでしょ。短いミドルだったら8Iか9Iでしょ、失敗したときにPWでしょ。で、アプローチのSWでしょ……。う~ん、やっぱり全部練習しておかないと心配」。そんな母には、苦手クラブがない。

まぁ、実際には毎日練習できる人はまれ。でも、そんな忙しい人こそ、考えながら練習するのは大切だと思う。みなさんはミスの原因を考えて打っている? 闇雲に100も200も打っていない? もちろん、練習場を経営する側としては、たくさん打ってもらうのはありがたいけど、バテてしまったら元も子もない。そんなわけで、この夏は、できるだけ少ない球数で上達を目指そうではないか。そのためには、ポイントを意識する「ラジオ体操」練習法がおすすめである。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年8月22・29日号より