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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.37 伸び上がるなら、伸び上がれ!? インパクトが安定する逆転の発想

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

真っすぐの球を打つにはどうしたらいいか? これは、ゴルファー永遠のテーマである。

曲がる原因のひとつは、アドレスでの前傾角度がキープできず、インパクトで上体が伸び上がってしまうからだとい言われる。インパクトで伸び上がると、右ひざが前に出て、クラブの通り道が塞がれてしまうため、アウトサイドからのカット軌道になってしまう。

では、伸び上がらないようにするにはどうしたらいいか? それは、インパクトでお腹をへこませて(あるいは背中を丸めて)、伸び上がるのをこらえればいいのだ。なんて口では簡単に言えるが、実際はできない。鍛えている人なら別だけど、普通の人はそんなに筋肉がない。だから、スウィング中に伸び上がったり沈んだりするのは仕方がないことだと思う。

いろいろな人を見ると、トップで沈み込む人はインパクトで伸びる、逆にトップで伸びる人はインパクトで沈む傾向にある。トップで沈み込んで、沈んだままインパクトするのは相当な筋力を要するため難しい。よって、どうしてもインパクトで伸び上がってしまう。反対に、トップで伸び上がり、伸び上がったままインパクトするのも難しい。空振りしちゃうよね。そこで球に当たるよう体が無意識に反応し、インパクトで沈み込むのだ。

つまり、インパクトで伸びるのが絶対にイカンと思うのであれば、逆にトップで伸びちゃえばいいのだ。

ずっと同じ態勢をキープするのは難しい。一度伸び上がることで、それ以上伸びなくなり、沈み込めるというわけだ

ボクはそうしている。まずアドレスで背筋を伸ばし、腰に力を入れつつテークバック。トップで若干伸び上がり、そのまま振り下ろす。すると勝手にインパクトで沈み込み、ジャストミート! 意識的に沈み込もうなんて思わなくても、勝手に沈み込むので簡単だ。

もちろん、伸び上がるといっても、右ひざが完全に伸びちゃってるわけではない。見方によっては高いトップといえるだろう。

そう考えると、トップで沈み込み、インパクトで伸び上がる人はトップが低めであることが多い。ということは……インパクトで伸び上がるのが嫌な人はトップで沈まず、逆に力を解放し、伸び上がってみるというのはどうだろう。そうすれば、自然とインパクトで沈み込むので悩みは解決するはずだ。

題して、「伸び上がっちゃダメなら、伸び上がってみな戦法」。ほら、痩せたければ、食べろ! という「食べるダイエット」があるように、ありえないと思ったことが意外とアリってことは珍しくないよね。

なにはともあれ、ボクがいちばん伝えたいのは、『伸び上がる=諸悪の根源』ではないということ。ショットの是非とスウィングフォームは必ずしも合致しないのだ。個性的なフォームでも真っすぐ飛ぶ人と、キレイなフォームでも曲がる人。どちらを目指すかといったら、断然前者じゃない? ボク自身も、個性的なスウィングだけど、プラスハンディだし。みなさんもカタチにこだわらず、自由な発想でゴルフを楽しんで!


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年8月8日号より